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矯正治療について知る

マウスピース型矯正装置(製品名 インビザライン 完成物薬機法対象外)とは、マウスピース型の矯正装置を使って行う矯正治療のことをいいます。「カスタムメイド」という名の通り、患者様お一人おひとりにオリジナルの装置を作製します。
矯正治療に用いられるマウスピースはいくつか種類がありますが、当院で扱っているのは米国アライン・テクノロジー社が開発したマウスピース型矯正装置(製品名 インビザライン 完成物薬機法対象外)です。こちらは、1997年にアメリカで開発され、現在までに、全世界で800万人以上の患者様が治療を受けられています(2020年現在)

他のマウスピース型矯正装置との違いは、マウスピースの作製の工程にあります。

マウスピース型矯正装置(製品名 インビザライン 完成物薬機法対象外)は、口腔内スキャナーによってスキャンしたお口のデータおよび精密検査の診断を元に、治療のスタートからゴールまで事前にシミュレーションを行います。
これに対して他のマウスピース矯正装置では、石膏模型で歯型を採得する必要があります。マウスピースを作製するたび(数週間~1ヶ月に1回程度)に毎回手作業で歯型をとる必要があり、通院の負担が増えてしまうだけでなく、型取り・マウスピースの作製を人間の手で行うことは、品質が安定しにくく、また治療のゴールもシミュレーションすることが難しいのです。

マウスピースで歯が動くメカニズム

透明で薄いプラスチック(ポリウレタン)のマウスピースによって、なぜ複雑な歯並びを動かすことができるか、あなたはご存知でしょうか。

まず、ワイヤーを使った矯正治療もマウスピースを使った矯正治療でも、「歯に圧力をかけて動かす」という点については同じといえますが、力の「かけ方」に違いがあります。

ワイヤーを使った矯正治療では、ブラケットと呼ばれる器具を歯の表や裏に装着し、そこにワイヤーを通して力をかけていきます。ブラケットが接地している1点に対して力が加わることになり、大きく動かしたい歯がある場合、その隣にある歯には大きな力がかかります。そのため、痛みやダメージを受けやすかったり、微調整が必要となったりすることが考えられます。

これに対してマウスピース型矯正装置(製品名 インビザライン 完成物薬機法対象外)は、装置が歯の全体を覆うことで歯にかかる力が優しいのが特徴です。1枚のマウスピースでの歯の移動量はコンピュータ計測で0.25mmです。これは、歯と骨の間に存在する隙間と同じであり、歯を動かすのに適した優しい力が設計されています。

そして、事前にシミュレーションを行って治療計画に沿って進んでいくため、無駄な微調整の必要がありません。これにより、ワイヤーとマウスピースで感じる痛みや違和感が違うのにも関わらず、トータルの治療期間はほとんど変わりません。症例によってはマウスピースの方が早くなる場合もあるほどです。

目標となる歯の位置まで、回り道をせずに歯を動かしていけるのも、この治療方法の大きなメリットの一つではないでしょうか。

歯列矯正は「骨の再生」を利用した治療方法

矯正治療は、単に歯に力をかけているわけではなく、人間のもつ新陳代謝機能を利用して歯を移動させているものです。一体どういうことかというと、矯正の治療中のあなたの顎の中では、次のようなことが起きています。

歯の根っこは、顎の骨の中に埋まっています。矯正装置によって歯に適度な力が加わると、歯根膜の片側が圧迫され、その反対側は引っ張られる状態になります。圧迫されることで骨を吸収する細胞(破骨細胞)が現れ、引っ張られる側の歯根膜には、骨を作るもとになる細胞(骨芽細胞)が現れます。目に見えない部分ですが、歯茎の中ではこのように、歯を支える骨の吸収・再生が繰り替えされて歯が移動していくのです。

しかしながら、歯を移動させるためには「適正」な力があります。歯にかける力が強すぎても弱すぎても、適切に移動しません。そして、この力が許容範囲を超えて強すぎる場合、歯根吸収の原因ともなり得ます。

歯根吸収とは?

矯正治療で歯に与える力が強すぎる(早く動かしすぎる)と、「破骨細胞」と「骨芽細胞」が出現する前に、歯根が短くなったり細くなったりして無理に調整しようとしてしまいます。これは、新陳代謝が正しく行われるペースを越えた力がかかってしてしまっている状態です。

歯根が短くなるということは、つまり、歯が抜けやすくなってしまうということです。

矯正治療を行う際に、「早く治したい」「スピーディに動かしてほしい」という患者様の気持ちもとても良く分かります。しかしながら、無理な力で動かした歯並びでは、後戻りや無駄な微調整、歯根吸収といった治療後のトラブルなどで結局あなたの大切な時間を奪ってしまうことになりかねません。

当院では、適正な力によって歯を「守りながら」動かし、回り道せずにゴールを迎えることこそが、患者様に対して提供するべき本当の最短ルートではないか?と考えています。

抜歯・非抜歯のシミュレーションが可能です

マウスピース型カスタムメイド矯正(インビザライン)をインターネットで調べてみると「抜歯のリスクが低い」という情報を多く目にするのではないでしょうか。

なぜ、この治療法で抜歯のリスクを減らすことができるのか?その理由の一つには、「奥歯も動かすことができる」ということが挙げられます。

奥歯に金具を固定する矯正装置では、奥歯が固定され、奥歯自体の位置を後方に動かすことができません。そのため、どうしてもスペースが足りない場合には抜歯によってスペースをつくる必要がありました。

マウスピース型カスタムメイド矯正(インビザライン)では奥歯も含めた全ての歯に対して力をかけることができるため、奥歯を動かすことで、抜歯をせずに全ての歯が並ぶスペースを作ることも可能になりました。すべての症例で奥歯を動かしているわけではなく、また可能な場合は抜歯を伴う治療より時間がかかるケースが考えられますが、できる限り歯を抜かないこと、体への負担を減らしたいとお考えの方には、メリットを感じていただける治療方法です。

マウスピース型矯正装置(製品名 インビザライン 完成物薬機法対象外)の特徴

透明で目立たない

歯並びのコンプレックスを治したいのに、矯正装置がコンプレックスになってしまっては元も子もありません。透明で目立たない装置は、接客業や営業職の方にも選ばれる目立たない矯正治療です。
また、小学生低学年、中学・高校生のマウスピース型カスタムメイド矯正治療(インビザライン)にも対応していますので、多感な時期のお子さまにもストレスなく治療を受けていただくことができます。

取り外せるので衛生的

マウスピース型カスタムメイド矯正(インビザライン)は取りはずしが可能な矯正装置です。歯磨きは普段通りに行うことができ、お口の中を衛生的にたもつことができます。

痛みが苦手な方におすすめできる理由

従来のワイヤー矯正治療と比べ、歯を動かす際の力が小さい、金属がお口の粘膜に刺さる痛みが無い、口の中に傷や口内炎ができることがほとんどないなど、治療中の痛みが心配な方にも安心です。


普段通りの食事ができる


装置を外して食事をとることができます。従来のように固定式の矯正装置では、食べ物によっては装置の隙間に入り込んだり、絡みついてしまったりして、食事にわずらわしさを感じる場面もありました。マウスピース型カスタムメイド矯正(インビザライン)であれば、普段通りの食事・生活を送ることができます。


金属アレルギーをお持ちの方へ


マウスピース型カスタムメイド矯正(インビザライン)の素材はプラスチック(ポリウレタン)製であり、金属アレルギーの方にも安心して治療を受けていただくことができます。


通院回数が少ない


マウスピース型カスタムメイド矯正(インビザライン)の通院頻度は、1~3ヶ月に1度です。矯正装置は7~14日ごとにご自宅で交換していただくため、都度通院する必要がありません。また、従来の矯正装置のように「ワイヤーが外れた」「装置が外れてしまった」といったトラブルが無いため、急に通院が必要になる、ということもほとんどありません。予定が立てやすく、忙しい方・県外からの来院をお考えの方にもおすすめできます。

マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)の注意点について

1.症状によりマウスピース型矯正装置を適応できない症例があります。

この場合、マウスピース型矯正装置での治療前もしくは治療後に従来型の矯正装置「補助矯正装置」での治療が必要となります。補助矯正期間は症状によって様々ですが、3ヵ月から1年かかる場合もあります。

2.患者さまの協力が不可欠です。

アライナーは1日20〜22時間を目安に装着することが推奨されます。使用時間が短いと目標の位置まで歯が動かないなど、治療期間及び治療結果に悪影響を及ぼします。

3.完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

治療の流れ

  1. 初診カウンセリング
  2. 精密検査
  3. マウスピース用の歯型を撮って発注
  4. 矯正シミュレーション
  5. 治療開始
  6. 定期健診

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補助矯正装置について

マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)による治療ではアタッチメントと呼ばれる歯の動きをサポートする為の白色の突起を歯の表面につけることがあります。どのような形で、どこに付けるかは、治療のシミュレーション(クリンチェック)時に3Dデータ上でご確認いただけます。歯の表面を傷つけるものではなく、治療後には取り除くため残ることもありません。

補助装置

マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)だけでは難しいケースや、トータルの治療期間を短くする場合に補助装置を併用することがあります。特にリカバリー治療の際には、補助装置が必要になるケースも少なくありません。「補助装置」をしっかり使えるかどうかは、治療期間や治療結果に影響しますので、担当医のアドバイスを守って治療を進めていきましょう。

補助装置の例

チューイー

マウスピースを装着する際に、しっかりとフィットさせる為に使用します。新しいマウスピースに取り替えると、3日間ほどはマウスピースを付けづらい感覚があるかと思います。マウスピースを直接咬んでしまうと変形や破損の原因になり、正しい効果が得られないため必ず補助装置を使用してください。

顎間ゴム

歯の咬み合わせを改善したり、微調整するために使用します。特に、元々咬み合わせの位置のズレが大きい場合に使用するケースが多いです。コツが必要なので慣れるまでは少し難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば鏡を見ずに付けられるようになります。

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■3Dシミュレーション(クリンチェック)を使用した治療のリスク・副作用