小学生からのマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置 (製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)とは?
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)において、6~10歳を対象としてた製品があります。小学生でもマウスピース型矯正装置による矯正治療が可能です。
マウスピース型の矯正装置は、近年、いわゆるワイヤー矯正に取って代わるものとして大人の方を中心に多くの支持を得て広がりを見せております。
そして、この度、小学生の矯正治療においても、従来では拡大床や裏側からの固定式装置で行っていた学童期のお子様の矯正治療がマウスピース型の矯正装置の進化によって治療が可能となりました。
小学生でも大人の方と同じように小学生からのマウスピース型矯正装置で矯正治療を行うことが当院で可能となっております。
小学生の矯正治療において優位性を持つ理由
小学生からのマウスピース型矯正装置とその他の装置(拡大床)の比較
マウスピース型矯正装置の場合
- 治療のゴール:顎の大きさを広げるだけではなく、それと同時に気になっている歯のねじれやガタガタ、隙間などに対しても細かく歯の位置を修正。
- 治療期間:18か月
- 快適性:取り外し可能。食事や歯磨きも普段通りに行えます。矯正装置による虫歯のリスクは固定式の装置に比べ格段に少ないと考えられます。
- 衛生面:平均2週間に1度の頻度で定期的に新しいマウスピースに交換していきますので衛生的
- 見た目:透明なマウスピースを装着しますので装置をつけていても目立ちません
- 信頼性:事前シミュレーションによる治療計画の立案と治療中の経過検証が可能
通院頻度は、順調に治療が進んでいれば2ヶ月に1回程度となり、遠方からも多くの患者様が通院されています。
<事前シミュレーションとは?>
事前シミュレーションによって、矯正治療によってお子さんの歯並びがどのように変わっていくかを治療開始前に確認していただくことが可能です。また、治療中もシミュレーション動画と比較することで治療が順調に進んでいるかどうかを検証することもできます。
拡大床の場合
- 治療のゴール:顎の大きさを広げるのみ
- 治療期間:6~24か月※個人差あり
- 快適性:取り外し不可
- 衛生面:基本的に2年間同じ装置を使用
- 見た目:針金が少し目立つ
- 信頼性:シミュレーションは使用しない
通院頻度は一般的に1~2ヶ月に1回程度ですが、歯が動くことでワイヤーが緩んだり外れるといったこともありますので、そういった場合には都度通院が必要になります。
お子さん専用に開発されたマウスピース型矯正装置
小学生からのマウスピース型矯正装置は、大人に比べると、まだ高さの低いお子さんの歯にもぴったりとフィットするように開発されました。また、アタッチメントと呼ばれるマウスピース型矯正装置による矯正治療に必要不可欠な補助装置も子ども専用に開発されました。小学生からのマウスピース型矯正装置による矯正治療は、小学生でも取り扱いやすくストレスなくお使いいただけるような特別な製品となっております。
他にも、お子さまにとってこのようなメリットが考えられます
【舌癖があるお子さまへ】
従来の床矯正では、舌の癖を予防する目的で「タングリブ」という柵のような装置を用いていました。マウスピース矯正は、舌で歯を押してしまう癖に起因する「開咬(オープンバイト)」の治療を得意としておりますので、舌の癖が見られるお子さまの矯正治療も可能です。
【奥歯を後ろへ移動させることができる】
マウスピース矯正は、奥歯を後ろに移動する遠心移動を得意としており、またマウスピースを歯に被せることで奥歯が伸びてしまうのを防ぐ効果も持っています。従来の矯正治療ですと、同様の効果を求める場合「ヘッドギア」を使用するケースもあるため、お子さまにとっても負担が少ないのがマウスピース矯正の特徴と言えます。
【顎を広げることも可能】
歯並びを整えるのに必要なスペースを確保するために「拡大床」と呼ばれる装置をつかって顎を広げる方法がありますが、マウスピース矯正では顎を広げると同時に歯並びを整えることも可能です。拡大床だけを使うよキレイな仕上がりが期待できるのが特徴です。
小学生期のお子さまをお持ちの保護者様へ
6~7歳頃は大切な時期
お子様が小学生になられる6~7歳ごろは、一生を通じてかみ合わせにとって重要な6歳臼歯(第一大臼歯)が生えてきたり、前歯が乳歯から永久歯に生え変わる時期で、アメリカ矯正歯科学会や日本矯正歯科学会においても矯正歯科医での歯並び・かみ合わせチェックを推奨している大切な時期です。
また、前歯の生え変わりによって見た目の歯並びが大きく変化する時期ですので、ご両親はもちろんお子様ご本人にとっても「この先どんな歯並びになるのだろう」とか「この歯の生え方は放っておいて大丈夫かな」などいろいろな疑問やご不安が出てくる時期でもあると思います。
この時期に矯正歯科医のチェックを受けることによって、治療が必要な場合には早期に異常を改善することができ、将来の歯並び・かみ合わせの問題が大きくなってしまうのを見逃さずに予防することができるとも考えます。
小学生高学年で急に歯並びが悪くなる場合も
小学校低学年では大きな問題がない場合でも、永久歯への生え変わりは第二大臼歯(12歳臼歯)が生えてくる中学生くらいまで続きます。大人の方の歯並びは1~2年で大きく変化することは考えにくいですが、学童期のお子様は体の成長と同じようにかみ合わせや歯並びも短期間に大きく変化いたします。
前歯の生え変わりの時期には気になることはなかったのに、小学校高学年になって八重歯が生えて急に歯並びが悪くなったとおっしゃられてご来院される場合もございます。
半年~1年に1度程度で構いませんので、矯正歯科での定期的な歯並び・かみ合わせのチェックをおすすめします。
上顎を広げることは、鼻腔(鼻の通り)にも影響します
上顎には「正中口蓋縫合(せいちゅうほうがいこうごう」という骨の継ぎ目があります。この部分は、お子さまでは骨化しておらず(骨がつながっておらず)比較的容易に広げることが可能です。
上顎が成長することで歯並びが良くなるだけでなく、鼻腔が広がって鼻の通りがよくなったり、下顎とのバランスも整いやすくなります。受け口の傾向があるお子さまには上顎の成長を促してあげることも非常に大切なポイントです。
対して成人の場合は骨の成長が止まっているため、上あごを広げるためには、上顎に歯科矯正用アンカースクリュー(骨の中に一時的に埋め込むネジのようなもの)を併用するなどして、強い力をかける必要があります。
骨の成長に合わせて上顎の成長を促すことができるのは、お子さまのうちに矯正治療を始めるうえで大きなメリットと言えます。
小学生からのマウスピース型矯正装置の登場で小学生期の矯正治療が変わります
小学生期の矯正治療の大きな目的は将来の凸凹を少なくするために歯並びを受け入れる顎の骨の大きさを広げたり(歯列の拡大)、永久歯への生え変わりがスムーズに進むようにサポートすること(咬合誘導)などが主な目的でした。
しかし、小学生からのマウスピース型矯正装置の登場により、ただ顎の大きさを広げるだけではなく、それと同時に気になっている歯のねじれやガタガタ、隙間などに対しても細かく歯の位置を修正することが可能であり、18カ月間という限られた治療期間で見た目にも大きな変化が期待できます。
お子さまの適切な治療開始時期を逃さないために
矯正治療を開始する時期はお子さまの歯並び、かみ合わせによってさまざまです。生え変わりの早いお子様もいらっしゃればそうでないお子様もいらっしゃいます。
我々は、初回カウンセリングや定期的なチェックを通じて、そのお子様にとって最適な治療開始時期を選択し、その時期に短期的に集中して矯正治療を行うことで、効率の良い治療を行うのはもちろんですが、ご両親から見られても満足していただける歯並び・かみ合わせの変化をご提供できれば、と考えております。
初回カウンセリングでお気軽にご相談ください。