こんにちは、東京日本橋エムアンドアソシエイツ矯正歯科の増岡です。

今回はマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)で行う開咬治療のお話しです。

開咬はオープンバイトとも呼ばれ、奥歯が噛み合っている状態でも前歯が離れているかみ合わせを指しています。

開咬は舌癖(ぜつへき)といわれる舌の癖とも密接に関係していることが多いため、不正咬合の中でも治療が難しく、また治療後の安定も難しいとされていますが、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)は以下に挙げる特長から、開咬の治療を従来のワイヤー矯正よりも得意としています。



  • アライナーが奥歯の噛み合わせの面を覆うので、咬む力による圧下力(奥歯を沈みこませる力)が働く

  • アライナーが歯列全体を覆うことで舌の癖などの機能異常による歯ならびへの悪影響が軽減される。

  • マウスピース矯正では前歯は唇側(外側)よりも舌側(内側)に傾斜しやすい

  • 移動させたい歯と移動させたくない歯を区別することが可能。

  • 治療をマウスピースで行っているので保定もマウスピースを使っていただきやすい。




それではマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)で治療可能な様々な開咬の症例を見ていきましょう。


空隙歯列を伴う開咬の場合は、特に舌癖の関与が強い場合が多いです。上下の前歯をかみ合わせるため、前歯を後ろに下げるために必要な隙間がすでに存在しますので、治療としては比較的シンプルですが治療後のかみ合わせの安定には舌癖の改善が不可欠です。




上下の前歯が離れてしまっており、前歯の間に隙間があります。




隙間を閉じながら上下の前歯を後ろに下げ、開咬を改善することができました。

*あなたの口元のお悩み、当院で矯正相談してみませんか?

歯並びに隙間がない場合には、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)が得意とする遠心移動を組み込むことで奥歯を後ろに移動させて開咬を治すことも可能です。





下の前歯が離れているだけでなく奥歯のかみ合わせにもズレがある状態です。



遠心移動途中です。奥歯のかみ合わせのズレを解消することができました。



つづけて前歯を後ろに移動させ、開咬を改善しました。


開咬の程度が大きい場合にはやむを得ず抜歯を検討することになります。




下の前歯が唇側に傾斜してしまっていてかみ合っていません。



下の前から4番目の歯(第一小臼歯)を抜歯して得られえた隙間を利用して前歯を後ろに下げていきます。





隙間を閉じ、上下の前歯をかみ合わせることができました。



いかがでしたでしょうか?開咬の場合でも、それぞれの歯並びや成り立ちによってマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)の治療計画は様々です。

開咬でお悩みもかたも是非、当院の初回カウンセリングでどのような治療計画で改善できるかについてご相談ください。

関連記事:なぜマウスピース矯正では、クリンチェックが大事なのか


監修者:増岡尚哉

歯科医師・歯学博士(D.D.S. , Ph.D.)|マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)の講師として歯科医師向けに講義・講演活動をしています。

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【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

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