ズレたらどうする?マウスピース型矯正装置(インビザライン・薬機法対象外) その2
こんにちは、東京日本橋エムアンドアソシエイツ矯正歯科の増岡です。
前回のブログでは マウスピース と実際の歯の移動との間にズレが出てしまう要因についてお話させていただきましたが、今回はズレが出てしまった場合の対処法についてのお話です。
目次

マウスピース型矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)治療では、マウスピースと実際の歯の移動との間にズレが生じることは珍しいことではありません。
治療を効率よく進めるにはズレが生じた場合の適切な対処が必要となります。
マウスピース矯正における クリンチェック の重要性
それではズレが生じた場合どのように対処したらよいのでしょうか?
対処法はズレが生じた原因によって異なりますので、何よりもまず立ち止まって何が原因なのかを確認します。
立ち止まるというのはマウスピースの交換を予定通り進めないということです。ズレが起きている箇所はそのまま交換を進めても自然にズレがなくなることはなく、そのまま交換を進めてしまうとむしろズレが大きくなってしまいます。
また、原因の中でも
- 使用時間が短い
- 取り外しの回数が多い
など、患者さんのマウスピースの取り扱が原因と考えられるズレの場合、装着時間、着脱方法や取り扱いについてもう一度よくご確認いただいた上で、同じマウスピースを長く装着していただくことで改善がみられる場合が多いです。またこのような理由で生じたズレは、一部分の歯だけが合わないのではなく、マウスピースが浮いているような感じで全体的に合っていない、という特徴があります。
・歯の形からズレが生じやすい
場合にはそのままで作り直しても同じズレが出てしまう可能性が高いため、歯の形を変える、つまり作り直した際にその歯にアタッチメントを設置してズレにくくするなどの工夫が必要です。すでにアタッチメントが設置されている歯にズレが生じた場合、応急処置としてまずアタッチメントを外す必要があります。歯とマウスピースを密着させるために設置するアタッチメントも一度ズレが出始めると、逆にズレを大きくしてしまい、マウスピース矯正において一番厄介な圧下(あっか)を引き起こしてしまうからです。
その他
- 移動量が多い。
- 難しい移動を行っている。
場合に起きたズレに対しては
- リカバリー処置を行う
- 追加アライナーを作製する
などの対応が必要になり、場合によっては
- そのままにして様子を見る
という選択をすることもあります。

追加アライナーを作製する方法
全体の治療の流れの中で、この歯のズレは見逃しても良いが、この歯のズレは今、治さないと治療が先に進めない、などズレが生じた歯の重要度合いによってどの選択肢を選ぶかが代わってきます。
矯正治療の目標はマウスピースと歯をピッタリにすることではなくかみ合わせ・歯並びを整えることですし、追加アライナーの作成には2~3週間ほどの時間がかかりますので、1本の歯がずれたからと言って毎回作り直していてはいつまで経っても治療が進んでいきません。
使用しているアライナーシリーズのままで作り直しすることなく進めたい場合にはリカバリー処置を選択することになります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)治療における代表的なリカバリー処置としてブーツストラップと呼ばれる手法があります。これはズレた歯にボタンを接着し、顎間ゴムと呼ばれる輪ゴムをボタンとマウスピースに掛けてズレを小さくする方法でうまくズレが解消すれはマウスピースの作り直しをせずに(現状に復帰して)進めることができます。

別の装置を使ってリカバリーする方法
もう一つのリカバリー方法としては部分的に従来型のワイヤーとブラケットをズレた歯とその両隣の歯に設置して支えとし(セクショナルワイヤーとも呼ばれます)、ずれた歯を立て直すという手法です。元々ワイヤー矯正を得意としている矯正歯科医の先生の中にはこのリカバリー方法を好んで使用される先生も多くいらっしゃいます。

セクショナルワイヤーを設置する場合には、ブラケットを歯に接着するためにマウスピースを部分的にカットして併用しますので、ズレが治った場合でも元のマウスピースがピッタリはまらない場合には追加アライナーを作製することになります。
このように一概にズレが生じたといっても、その原因は様々ですから対処法も様々です。
正しく判断して正しく対処することが円滑な治療を進める上で効果的です。