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MA矯正歯科ドクターブログ

こんにちは、エムアンドアソシエイツ矯正歯科の増岡です。



マウスピース矯正の普及によって身近になってきた矯正治療ですが、やはり高額な治療費と長期にわたる治療期間が気になって踏み切れないという方もまだまだ多くいらっしゃるようです。



そんな中でも話題になってきているのがダイレクトプロバイダーと呼ばれるメーカーです。

これらのメーカーは


  1. 歯科医院を受診せず

  2. 型取り後

  3. ご自宅にマウスピースを郵送する


というシステムで、だれでも気軽に、また気になるところだけを治すことができるという触れ込みで注目されています。



歯科業界でもインプラントなどに代わって、今一番の注目されているだけでなく、某経済紙で特集が組まれたように商社などの資本を元に、他の業界からも続々と参入が始まっています。





アメリカではスマイルダイレクトクラブという会社が、歯科医院を受診せずに矯正治療用マウスピースを提供するというサービスを行っております。

スマイルダイレクトクラブへはインビザラインを製造しているアラインテクノロジー社が出資をしており、実際にアライナーをOEM(original equipment manufacturer)として提供しております。ただ、アタッチメントやIPRなどインビザライン治療で必要不可欠な処置をしない程度の不正咬合(歯並びのガタガタ)を対象としているため、インビザラインで適応可能な不正咬合のうち、わずか2%程度がスマイルダイレクトクラブのアライナーでの治療対象に当てはまるとしております。しかし、アメリカ歯科医師会などから警告を受けるなど、歯科業界からの風当たりも強いようです



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日本でも同様のサービスを提供する会社もあるようですが、実際には昔ながらの方法で石こう模型からマウスピースを作製している会社も多いようですし、この先どのように普及していくのかも全く予想できません。

また、技術的にも、現状ではやはり全体的なかみ合わせや程度の強いガタガタなどは、これらのダイレクトプロバイダーが提供するマウスピースで治すのは難しいようです。



マウスピース矯正への注目が高まり、消費者のみなさんがご自身の歯並びを美しくしたいという意識を持っていただけることは我々矯正歯科医にとって非常にうれしいことです。たくさんの製品が開発される中でより多くの技術革新が行われ、患者の皆さんにより良い製品、治療結果が提供されることを期待しておりますが、一方で少なくともそれらも技術や情報は、我々歯科医師を通じて社会に正しく発信され普及して行ってほしい、と期待と不安が入り混じった気持ちでおります。