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MA矯正歯科ドクターブログ

こんにちは、東京日本橋エムアンドアソシエイツ矯正歯科の増岡です。

マウスピース矯正の普及によって身近になってきた矯正治療ですが、なかにはマウスピース矯正治療は従来のワイヤー矯正に比べて失敗しやすいと思っていらっしゃる方も多いようです。

他院から当院に転院される患者様の中には、これ以上はマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)では治せませんと担当医に言われてしまったり、また長く通っているのに全然治らない、などとの主訴でいらっしゃる方も多いです。

マウスピース矯正治療では治療開始前にクリンチェックシミュレーションを作成します。クリンチェックで治療ゴールのイメージを歯科医師と患者様で共有しているはずですのでその点での認識の違いはないはずですが、実際の歯の移動はクリンチェック通りにはすすみません。

関連記事:マウスピース矯正における クリンチェック の重要性

マウスピース矯正で使用するマウスピースはあくまで予測に基づいて作製されます。予測の動きと実際の歯の移動との差によって、歯の移動量が多いほど(マウスピースの枚数が多いほど)ズレが生じやすくなります。これはどんなに患者さんが頑張って使用時間を守っていただいても生じてくるものです。

*マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)に興味がある方、口元のお悩みを当院で相談してみませんか?


緑が計画された量、青が実際に動いた量です。実際には6割程度しか動かないといわれています。
シミュレーションと実際の歯の移動とがどの程度の精度で予測できるかを予測実現性といいます。文献によるとシミュレーションの値と実際に動いた量を比べると6割程度しか動いていないといわれています。数多く存在するマウスピース矯正装置の中でも、素材の違いやシミュレーションソフトの精度などによってこの予測実現性も大きく異なります。

関連記事:ズレたらどうする?マウスピース型矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)その1

このことを良く理解して、治療途中でクリンチェック通りに進まなくなった場合の対処法も考えたうえで治療を開始すれば、それは失敗ではなく事前に予想された困難ということになりますが、クリンチェック通りに進まない場合に、何故そうなったのか?そこからどのように治療ゴールまで導けばよいのか、が分からない場合にはお手上げという状態になってしまいます。

もし、マウスピース矯正では治せないという場合でも従来のワイヤー矯正に変更して予定したゴールへと導くことができれば最終的には理想的な歯並び・かみ合わせを得ることができますが、ワイヤー矯正でも対応できないとなるともう治しようがありません。

マウスピース矯正は簡単だと思われがちですが、治療を完了するためにはやはり矯正歯科の専門知識に加えてマウスピース矯正の知識や経験が不可欠です。

みなさまのクリニック選びのご参考になれば幸いです。





【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。