私の歯並びは保険適応になるでしょうか?
保険適応で矯正治療を行う場合、病名は「顎変形症(顎変形症)」となります。顎変形症とは、顎の骨が上下で大きなずれがある、骨格が原因で顔の左右が非対称になるなど、かみ合わせが悪くなる不正咬合(ふせいこうごう)が起こる病気です。保険適応となる矯正治療の流れ・注意点をご紹介します。
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顎変形症の矯正治療の流れ
顎変形症と診断された場合の矯正治療の流れは、大まかに
- 術前矯正
- 術後矯正
この2つを行うこととなります。
【術前矯正とは?】
術前矯正は、のちに外科手術をした際に咬み合わせが安定するよう歯並びを整えていく治療のことを言います。使用する矯正器具はマルチブラケットで、通常1~2年ほどをかけて矯正治療を行っていきます。
外科手術を見越して歯並びを整えるため一時的に咬み合わせが悪くなり、噛みにくくなります。
術前矯正が終わり次第、入院して顎の外科手術を行います。2週間ほどの入院期間になることが多いです。
【術後矯正とは?】
退院された後、改めて矯正歯科にて「術後矯正」を行います。1年程度をかけて噛み合わせを整えていき、無事矯正治療完了となります。
保険適応後の治療費について
保険適応の場合、矯正治療の自己負担額はどのような治療方法になるかによっても異なりますが、一般的に40~50万円程度です。これとは別に、入院・手術費用が発生することとなります。
マウスピース型矯正装置を用いた矯正治療は保険適応外となります
保険適応で治療を受けるためには、使用する器具についても厚生労働省の定めるルールが設けられています。
保険で認められているのはマルチブラケット装置です。「顎変形症」の患者様をマウスピース型矯正装置で治療すること自体は可能ですが、マウスピース型矯正装置を用いた矯正治療は保険適応外の治療となるため、外科手術から矯正治療までを全て自由診療となります。
矯正治療の疑問・質問を受け付けております
当院では、患者様に矯正治療についての正しい知識を広めるため、矯正メール相談やオンライン診療などを積極的に実施しています。
「まだ矯正治療を受けるか決めていない」
「病院に行くほどでもないが、ドクターの意見を聞きたい」
そんなときにぜひご活用ください。
■外科矯正にともなう一般的なリスク・副作用
・公的健康保険対象となるのは、自立支援医療(育成医療・更生医療)指定医療機関または顎口腔機能診断施設の指定を受けた医療機関のみとなります。指定を受けていない医療機関での外科的矯正治療は、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・手術は全身麻酔のもとで行ないます。
・2~3週間程度の入院が必要となり、入院前には検査のために通院していただきます。
・手術後は部分的な麻痺やしびれが出たり、まれに鼻の変形が見られることがあります。
・骨を固定するために頬側からビスを入れてプレートを留める場合、数ミリの切開が必要となることがあります。ただし、ほとんどわからない程度の小さな傷です。
・手術後しばらくは口があまり開かないので、食生活に不都合を感じることがあります。
・手術後半年から1年くらいで、プレート除去手術のため再度1週間程度の入院が必要となることがあります。