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歯列矯正の基礎知識コラム

歯科矯正を始める上で、気になるのが費用ですよね。

高額な治療費用を少しでも保険で補填したいと思う方も多いかと思います。

しかし、歯科矯正は基本的に自由診療となり、健康保険は適用されません。

とはいえ、顎変形症などの生まれつきの疾患であれば、健康保険が適用されるケースもあります。

本記事では、歯科矯正で保険が適用される症例と保険適用後の具体的な負担額、保険適用されない歯科矯正で治療費の負担を抑える方法をお教えします。

【目次】
1、なぜ歯科矯正は保険適用されないのか?
2、保険が適用される歯科矯正
 ・先天性異常
 ・顎変形症
 ・永久歯萌出不全に起因した咬合異常
3、歯科矯正に保険を適用させるためには?
4、保険適用されない歯科矯正の治療費負担を抑える方法

なぜ歯科矯正は保険適用されないのか?

公的保険が適用される治療は、病気やけがなどでの療養に限られており、歯列矯正は、見た目の改善という審美的な目的があると判断され、残念ながら保険適用外となっています。

また、歯科矯正で使用する器具についても厚生労働省の定める細かなルールが設けられています。

例えば、マウスピースは、器具自体が保険適応外であるため、どのような歯並びの治療であってもマウスピースを使用して矯正治療を行う場合には全て自由診療にて対応することとなります。

しかし、最近では、子どもの歯並びの悪さが虫歯や歯周病などさまざまな二次障害を生むことから、歯並びを改善する歯列矯正も保険適用とするよう、全国各地で署名活動が積極的に行われています。

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保険が適用される歯科矯正

健康保険が適用されるのは、厚生労働大臣が定める53の疾患です。この疾患の症状に該当する方、または該当する可能性がある方は、あらかじめ口腔外科などの医療機関を受診することで、矯正費用が保険の対象となります。

先天性異常

(1)唇顎口蓋裂(がくこうがいれつ)
(2)ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症(さいきゅういじょうしょう)を含む。)
(3)鎖骨頭蓋骨異形症
(4)トリーチャ・コリンズ症候群
(5)ピエール・ロバン症候群
(6)ダウン症候群
(7)ラッセル・シルバー症候群
(8)ターナー症候群
(9)ベックウィズ・ウイーデマン症候群
(10)顔面半側萎縮症
(11)先天性ミオパチー
(12)筋ジストロフィー
(13)脊髄性筋萎縮症
(14)顔面半側肥大症
(15)エリス・ヴァンクレベルド症候群
(16)軟骨形成不全症
(17)外胚葉異形成症
(18)神経線維腫症
(19)基底細胞母斑症候群
(20)ヌーナン症候群
(21)マルファン症候群
(22)プラダー・ウィリー症候群
(23)顔面裂
(24)大理石骨病
(25)色素失調症
(26)口腔・顔面・指趾症候群
(27)メビウス症候群
(28)歌舞伎症候群
(29)クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
(30)ウイリアムズ症候群
(31)ビンダー症候群
(32)スティックラー症候群
(33)小舌症
(34)頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む。)
(35)骨形成不全症
(36)フリーマン・シェルドン症候群
(37)ルビンスタイン・ティビ症候群
(38)染色体欠失症候群
(39)ラーセン症候群
(40)濃化異骨症
(41) 歯以上の先天性部分(性)無歯症
(42)CHARGE症候群
(43)マーシャル症候群
(44)成長ホルモン分泌不全性低身長症
(45)ポリエックス症候群
(46)リング 18 症候群
(47)リンパ管腫
(48)全前脳胞症
(49)クラインフェルター症候群
(50)偽性低アルドステロン症
(51)ソトス症候群
(52)グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)

※顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患に起因する咬合異常について、歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度地方厚生(支)局に内議の上、許可されれば保険の対象となることもあります。

顎変形症

顎変形症(がくへんけいしょう)とは、顎の骨が上下で大きなずれを生じている、骨格が原因で顔の左右が非対称になるなどして、かみ合わせが悪くなる不正咬合(ふせいこうごう)が起こる病気です。多くの場合、幼少期には異常が見受けられず、顎が成長するとともに、不正咬合の症状が出始めます。

顎変形症は遺伝的な要素が原因で発生することが多数とされていますが、乳幼児期の下を突き出す癖や指しゃぶりが原因という説もあります。また、顎変形症が就寝中のいびきの原因になることもあります。

顎変形症の治療として歯科矯正をする際に、保険が適用されるには、いくつか条件があります。まず、顎口腔機能診断施設に指定されている医療機関で、顎変形症の診断を受けることです。そして歯科矯正と併用して、顎の骨を切るといった手術をする外科的矯正術を受けた場合に保険適用になります。

当院における顎変形症の治療

当院でも外科手術が必要な顎変形症の治療において、外科処置を行う医院と連携して、マウスピースによる矯正治療を施していきます。

当院が使用するインビザラインは、目立たずに、装着の違和感が少ないといったメリットがあります。インビザラインをはじめとしたマウスピース矯正の装置は保険対象外となりますが、医療費控除が受けられる可能性もありますので、まずは一度ご相談いただければと思います。

関連記事:
顎変形症の矯正治療の流れについて(よくある質問)

永久歯萌出不全に起因した咬合異常

幼少期には、乳歯と永久歯が生え変わるので、歯が何本も抜けている子供の笑顔を見ると愛らしいと思うことがあります。通常は、6歳頃から永久歯が生え始め、12歳頃までに生え揃います。しかし、中にはいつまで経っても永久歯が生えてこないケースもあり、この症状を永久歯萌出不全と言います。

先天的な原因で、もともと永久歯が作られていない場合もありますが、歯茎の中に埋伏歯として埋まってしまい、自然に生えない状態になっていることもあります。

そのような症例では、歯茎を切開して歯を引き出す埋伏歯開窓術という手術が有効です。前歯の永久歯が3歯生えてこない永久歯萌出不全で、埋伏歯開窓術をして、あわせて歯科矯正をする場合、歯科矯正の治療費も保険適用になります。

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歯科矯正に保険を適用させるためには?

上記の症状があり、歯列矯正に保険を適用させたい場合には、「厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものと地方厚生(支)局長に届け出のある保険医療機関」で受診する必要があります。こちらの医療機関は、地方厚生(支)局のサイトから検索できます。
検索方法は以下の通りです。

①地方厚生(支)局のサイトにアクセスし、お住いの地域に該当する厚生局をクリック。
➁サイトの検索窓から「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力し、該当ページにアクセス
③お住まいの県の「歯科」とあるPDFをダウンロード。
④そのPDFリストより「1.先天性異常」「3.永久歯萌出不全に起因した咬合異常」の場合は「矯診」を、「2.顎変形症」の場合は「顎診」と書かれた医療機関を探す

保険適用後の負担額

自費で歯科矯正をする場合、当初の予定よりも治療期間や治療回数が増えても、治療開始前に提示された費用が変わることはありません。一方、保険治療の場合は、治療をするごとに治療費を支払うことになるので、歯の状態により通院期間や通院回数が増えれば、その分、治療費が追加されることになります。保険適用後の負担額は、一人ひとりの歯の状態、矯正治療の方法や年齢によっても異なります。
一般的には、矯正費用は100万円程度必要とされています。その場合、3割負担の保険適用後、30万円ほどで歯科矯正の治療ができます。

歯科矯正において、先天性異常の疾患であれば保険が適用されます。このような症例に当てはまる方は、一度当院にご相談ください。

保険適用されない歯科矯正の治療費負担を抑える方法

1.医療費控除

治療費を軽減する一つの方法として「医療費控除」という方法があります。

医療費控除とは、1年の間に規定よりも多い治療費を支払っていた場合に、所定の申請を行うことで納めた税金の一部が返ってくるという制度です。

自営業の方の場合、納める税金を安くすることができ、企業に勤めている方の場合、確定申告をすることで還付金という形でお金が戻ってきます。

エムアンドアソシエイツグループでは、医療費控除の申請無料サポートも行っておりますのでお気軽にご相談ください。

歯科矯正も医療費控除対象に!
控除される症例と計算方法

2.分割払いやデンタルローン

当院では、治療費負担を軽減するため、当院独自の分割システムやデンタルローンをご用意しています。

当院の分割システムでは、頭金なし金利ありのプランや、頭金あり金利なしのプランなど様々なパターンのプランをご用意しております。

またデンタルローンも取り扱っております。デンタルローンはクレジットカードと比べて金利が低く、最大分割回数も多いなどの特徴があります。月々の支払い金額を抑えたいという方におすすめのお支払い方法です。

費用について

これら以外に矯正費用を安く抑える方法があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連記事:
歯科矯正の費用を安く抑える8つの方法

矯正治療は、費用も治療期間もかかりますので、ご自身が心から納得できる治療法をご選択いただくのが一番よろしいかと思います。

エムアンドアソシエイツグループでは、矯正治療のご相談・カウンセリングは無料となっております。矯正治療やマウスピース矯正についてご検討の方は、お気軽にお問合せください。

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