歯並びのコンプレックスは笑顔にも影響する!?解決方法について
- 公開日:2026/02/26
- 監修者:増岡尚哉
- 更新日:2026/02/26
口元や歯並びにコンプレックスを感じていると、恥ずかしさでうまく笑えないこともあるでしょう。笑顔と歯並びは大きく関係しており、実際に行った調査で、笑った際に人の視線は歯並びや口元に向くことが解明されています。
歯並びが悪いことや、思いっきり笑えないことに長年悩まされていませんか?
今回は、「歯並びが笑顔に及ぼす影響」「不正咬合の種類」「マウスピース矯正」などについて解説します。
【目次】
1.視線追跡調査で解明された「歯並びが笑顔に及ぼす影響」
2.悪い歯並びは視線が向きやすい傾向がある
3.悪い歯並び「不正咬合」の種類について解説
3-1 デコボコの歯並び(叢生・乱杭歯・八重歯)
3-2 開咬
3-3 出っ歯(上顎前突)
3-4 受け口(反対咬合・下顎前突)
4.悪い歯並びが引き起こす健康面・機能面へのリスク
5.歯並びがコンプレックスの方におすすめ!「矯正治療」
6.目立たない!取り外せる!マウスピース矯正がおすすめ
7.マウスピース矯正による治療症例
7-1 【症例1】開咬・抜歯(28歳 治療期間2年)
7-2 【症例2】叢生・抜歯(25歳 治療期間2年)
8.矯正治療で歯並びへのコンプレックスを解消しませんか?
視線追跡調査で解明された「歯並びが笑顔に及ぼす影響」
2015年に、インビザライン・ジャパンが、歯並びと笑顔の関係について「アイトラッキング(視線追跡)調査」を行いました。
主に「無表情の顔」「歯並びが良い笑顔」「歯並びが悪い笑顔」に対する目の動きの調査です。これによって、「どこに」「何に」「どのくらい」人の視線が向いているか、目の動きを数値で表すことができます。
「無表情の顔」では、目元に視線が集中します。そして、「無表情の顔」よりも「笑顔」の方が、視線が向きやすく、特に歯や口元に視線が向いている時間が約2.6倍長く、顔の印象についても「明るい」「キレイ」など良く捉えられることが明らかになりました。
また、大きな笑顔になる程、口元や歯に視線が向きやすいです。さらに、「歯並びが悪い大きな笑顔」と「歯並びが良い大きな笑顔」では、「歯並びが悪い大きな笑顔」の方が、口元や歯に視線が向いている時間が長いことがわかりました。
この結果から、どんなに素敵な笑顔でも、視線は悪い歯並びや歯の方を向いてしまうということが言えます。
悪い歯並びは視線が向きやすい傾向がある
上記の調査結果より、
- 「無表情」より「笑顔」の方が、人の視線が向きやすい
- 「微笑み」より「大きな笑顔」の方が、人の視線が向きやすい
- 「大きな笑顔」ほど、口元や歯に視線が向きやすい
- 「歯並びが良い大きな笑顔」と「歯並びが悪い大きな笑顔」を比べると、「歯並びが悪い大きな笑顔」の方が歯や口元に視線が向きやすい
ということが明らかとなり、笑顔と歯並びは深く関係していることがわかります。
悪い歯並び「不正咬合」の種類について解説
悪い歯並びのことを、専門用語で「不正咬合」といいます。
「不正咬合」にはいくつか種類があり、それぞれの種類毎に解説します。
デコボコの歯並び(叢生・乱杭歯・八重歯)
正常な歯並びは、キレイなアーチを描いて並んでいます。しかし、歯が傾いたり、捻れたり、アーチの内側や外側にズレて生えてきたりすることで、歯並びがデコボコの状態になることがあります。この歯並びのことを叢生(そうせい)と言います。
叢生は、顎骨が歯に対して小さかったり、歯が顎骨に対して大きかったりして、歯が生えるスペースが足りなくなることで生じます。
また、叢生は「乱杭歯」と呼ばれることもあり、「八重歯」とは、叢生状態の犬歯のことを指しています。
開咬
開咬とは、奥歯を咬み合わせた時に、上下の前歯の間に隙間ができる状態で、舌の位置が原因になることがあります。
舌の位置は、先端が上の前歯の裏側の根元の歯茎付近(スポット)に接しており、舌全体が上顎に吸着している状態が正常です。
この舌の位置が下がり、上下の前歯の間に置かれていると、開咬になりやすいです。
また、指しゃぶりが長く続くことも、開咬の原因になります。指しゃぶりは、永久歯の生え換わりが始まる前の3~4歳くらいまでにやめることができれば、永久歯の歯並びに影響しにくいです。
出っ歯(上顎前突)
出っ歯とは、奥歯を咬み合わせた時に、上の前歯が前方に突出している状態のことです。
正常な咬み合わせでも、上の前歯は下の前歯より2~3mm前方に出ています。これが4mm以上出ている場合は、軽度の出っ歯と言えます。さらに、7mm以上になると、治療を検討する必要があります。
出っ歯は、爪噛みや指しゃぶり、舌で前歯を押す癖などが原因であることが多いです。これらの癖が見られる場合は、早めに改善できるようにしましょう。
受け口(反対咬合・下顎前突)
受け口とは、奥歯を咬み合わせた時に、上の前歯より下の前歯の方が前方に出ている状態のことを言います。
正常な咬み合わせは、上の前歯が下の前歯より2~3mm出ていますが、受け口だと咬み合わせが反対になっています。
原因の1つに、舌の位置が考えられます。舌が正常な位置から下がり、下の歯や下顎に置かれていると、受け口になりやすいです。
受け口は、矯正治療の中でも難易度の高い症例であるため、気づいたら早めに歯科医院に相談してみましょう。
悪い歯並びが引き起こす健康面・機能面へのリスク
悪い歯並びを放置すると、将来的に、見た目以外にも健康面や機能面に影響を及ぼすことが考えられます。
①口腔環境の悪化
歯が重なったり、傾いたり、捻れていたりすると、歯磨きがしにくく磨き残しが多くなりやすいです。その結果、口の中にはプラークが蓄積しやすくなり、プラーク中に存在する細菌が増殖し口腔環境が悪化します。
増殖した細菌は、虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。
②しっかり咀嚼できない
咬み合わせが反対になっている、上下の歯が咬み合っていない、などの状態では、食べ物をしっかり噛んで(咀嚼)食べることができません。咀嚼が十分にできていないと、消化器官(胃や腸など)に負担がかかって栄養の吸収も悪くなり、便秘や下痢、肌荒れ、免疫力の低下など、全身へ影響を及ぼすことがあります。
③口臭の悪化
出っ歯や開咬、受け口だと、口が閉じにくいことで口が開いたままになりやすいです。そうすると口の中が乾燥しやすく、唾液の循環が悪くなります。
唾液には、口の中の汚れを洗い流す作用(自浄作用)があります。唾液の循環が悪くなることでこの作用が低下すると、口内に汚れが蓄積し、細菌が増殖しやすくなります。増殖した細菌は口の中のタンパク質を原料にして口臭原因物質を発生するので、口臭が悪化しやすくなります。
④顎関節症のリスク
下顎の骨は、頭蓋骨にぶら下がるような状態になっており、下顎は前後左右に動かすことができます。下顎の骨と頭蓋骨の間にあるのが顎関節です。
悪い歯並びにより、咬み合わせのバランスが悪いと、顎関節にも過度な力がかかり、将来的に顎関節症を引き起こしてしまうことがあります。
顎関節症になると、「口が開けにくい」「コキコキと関節音が聞こえる」「顎関節の痛み」などの症状を感じるようになります。
⑤発音や滑舌の悪化
開咬や出っ歯、受け口では、上の前歯と下の前歯の間に隙間ができているため、そこから空気が漏れてしまうことによって発音がうまくできないことがあります。
特に、上の前歯と舌の隙間で音を発する「サ行」、上の前歯と舌を当てて音を発する「タ行」や「ら行」はうまく発音できないことがあります。
また、叢生の場合も、内側に生えている歯や傾いている歯、捻れている歯が邪魔をして舌を動かしにくくなり、滑舌が悪くなってしまうことがあります。
歯並びがコンプレックスの方におすすめ!「矯正治療」
矯正治療では、歯並びや咬み合わせを改善することができます。セラミック治療で歯並びを治す方法とは違い、歯を大きく削ることもなく、歯を少しずつ移動することで歯並びや咬み合わせを整えるため、歯へのダメージが少ないのが特徴です。
また、見た目はもちろん、発音や滑舌、咀嚼機能、口腔環境などのお口の機能面における改善も可能です。それに加えて、咬み合わせのバランスも良くなることで、将来的に歯が長持ちしやすくなります。
これらの理由から、歯並びや咬み合わせに悩まれている方には「矯正治療」をお勧めします。
主な矯正治療方法に「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」が挙げられます。2つの治療方法の特徴について表にまとめました。よろしければ、ご参考になさってください。
(※表に記載の内容はあくまで目安です。お口の状態は個人差があるため、変動する内容もありますのでご了承ください)
<ワイヤー矯正とマウスピース矯正の特徴>
| ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 | |
| 治療内容・特徴 | 歯面にブラケットと呼ばれる装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯を移動させます。 歯の表面に装置を装着する「表側矯正」、歯の裏側に装置を装着する「裏側矯正」があります。 表側矯正は装置が目立ちやすいですが、透明や白色の装置を取り扱っている歯科医院もあります。裏側矯正は、装置は目立ちませんが、高い技術が必要なため費用が高額になりやすいです。 |
マウスピース型矯正装置を装着して歯を移動させます。 大きな特徴は、装置が透明な樹脂を使用しているため目立ちにくいことと、取り外しできることです。また、自宅でマウスピースを交換しながら治療を進めることができます。 マウスピースの交換は2週間に1度、1日の装着時間は20時間以上必要です。 治療中でも矯正装置がほとんど見えないので、人前で話す機会の多い仕事をされている方でも矯正治療を受けやすいです。 |
| 治療方法 | 基本的には月に1回来院していただき、歯の動きの確認、ワイヤーの交換や装置の調整を行います。 | 基本的には2ヶ月に1回来院していただき、歯の動きの確認を行います。その都度、追加のマウスピースをお渡しするので、ご自宅にてご自身でマウスピースの交換を行っていただきます。 |
| メリット | ・抜歯が必要な症例でも適用可能
・大きな歯の移動が可能で適用範囲が広い
・装置はつけっぱなしでいい |
・装置が目立ちにくい
・取り外しができる(食事や歯磨きが通常通りできる)
・装置が洗浄しやすい |
| 注意点 | ・歯磨きに時間がかかる
・装置が目立ちやすい
・歯に出っ張りができるため痛みや違和感を感じやすい |
・マウスピースの装着時間、交換時期など自己管理が必要
・抜歯が必要な症例では適用できないことがある。 |
| 通院頻度 | 基本的には1ヶ月に1回 | 基本的には2ヶ月に1回 |
| 治療期間 | 約2~3年 | 約2~3年 |
| 費用の目安 | 60~80万円 | 80~100万円 |
矯正治療は、ほとんどの場合が自費治療となるため、高額になりやすいです。また、治療期間も数年かかるので、治療を始めることさえも少し勇気が必要になるかもしれません。
しかし、長い期間をかけて少しずつ歯を動かすことで、歯へのダメージは最小限に留まります。
治療には数年必要ですが、治療完了後の期間の方がはるかに長いです。歯の寿命をできるだけ長く保つためにも、治療にかける期間は非常に意味のある時間と言えるでしょう。
目立たない!取り外せる!マウスピース矯正がおすすめ
日本でマウスピース矯正(インビザライン)の取り扱いが始まったのは、2006年頃からです。今では、世界中で1500万人以上の方が治療を受けている実績があります。
なぜ、これだけマウスピース矯正が選ばれるのでしょうか?
それは、マウスピース矯正が従来からある治療方法のイメージを大きく変えたからです。
従来の矯正治療方法である「ワイヤー矯正」には、装置が金属で目立つ、歯磨きがしにくい、虫歯や歯周病リスクを高めてしまう、痛みを感じやすい、などのデメリットがありました。
一方、マウスピース矯正は、透明な医療用の樹脂素材で作製されたマウスピースを装置として使用します。マウスピースは目立ちにくく、取り外しできるので歯磨きや食事が通常通り行えます。虫歯や歯周病のリスクも軽減しやすいです。
また、マウスピースは基本的に2週間ごとに交換します。1枚のマウスピースで動かせる歯の量は0.25mmほどで、痛みを感じにくいという特徴もあります。
そして、マウスピースの交換は自分で行えるため、通院回数も比較的少ないです。
お口の型どりについても、従来は粘土状の材料を口内に入れて行っていましたが、マウスピース矯正では専用の3Dスキャナーを使用します。お口の状態をスキャンできるため、患者さんの負担が軽減されやすくなりました。
スキャナーで取り込んだデータはそのままコンピュータに送ることができるため、最短で、その日のうちに簡単なシミュレーションを行うことも可能です。
見た目を気にする必要がなく、通院回数も少ないため、長い間歯並びにコンプレックスを感じている大人の方には特にお勧めの治療方法です。
ただし、重度の症例では適用できなかったり、装置の交換時期や装置装着時間など自己管理が必要といった注意点があります。
一度、歯科医院に来院し、実際にお口の中を診てもらった上で、ご自身に適した治療方法について相談してみましょう。
マウスピース矯正による治療症例
実際に当院で行ったマウスピース矯正の治療保証例をご紹介します。
【症例1】開咬・抜歯(28歳 治療期間2年)
治療前
治療後
○初診時年齢:28歳4ヶ月
○主訴:前歯のかみ合わせ
○診断:開咬
○治療内容:小臼歯4本を抜歯した後に、インビザラインを使用して主訴である開咬の改善を行いました。
○治療期間:2年
○リスク:矯正治療による歯の移動に伴う痛み、歯根吸収、虫歯
○費用:80万円
【症例2】叢生・抜歯(25歳 治療期間2年)
治療前
治療後
○初診時年齢:25歳7ヶ月
○主訴:前歯のガタガタ
○診断:交叉咬合を伴う叢生症例
○治療内容:小臼歯4本を抜歯した後、インビザラインを使用して主訴である叢生の改善を行いました。
○治療期間:2年
○リスク:矯正治療による歯の移動に伴う痛み、歯根吸収、虫歯
○費用:80万円
矯正治療で歯並びへのコンプレックスを解消しませんか?
インビザライン・ジャパンが行った調査で、「無表情の顔」では目元に視線が向かいやすく、「笑顔」では口元に視線が向かいやすいことがわかっています。
また、口を開けて笑った大きな笑顔では歯並びに視線が向かいやすいです。
そのため、歯並びは顔の印象にも影響を及ぼしやすく、悪い歯並びの状態だとコンプレックスを感じやすいとも言えます。
歯並びを改善する代表的な治療方法に「矯正治療」が挙げられ、その中のひとつに「マウスピース矯正」があります。
マウスピース矯正の大きな特徴は、矯正治療中でも装置が目立ちにくく、装置が取り外しできるので食事や歯磨きが通常通り行えることです。
長年、歯並びに悩まれている大人の方でも始めやすい治療方法です。しかし、適応できる症例とそうでない症例があるので、一度歯科医院で診断してもらいましょう。
当院では、歯並びにコンプレックスを感じている方がご相談しやすいように、無料カウンセリングを行っております。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

監修者:増岡尚哉
歯科医師・歯学博士(D.D.S. , Ph.D.)|マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)の講師として歯科医師向けに講義・講演活動をしています。
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