歯並びがキレイなアーチにならず、歯の生える位置がズレることで歯並びがガタガタになっている状態を「叢生」と言います。前歯で起こりやすいため、口元にコンプレックスを感じてしまうこともあります。しかし、なかなか治療まで踏み込めず、悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、叢生の矯正治療について、治療を始める際の判断基準や条件を解説します。

【目次】
1.不正咬合の1つである「叢生」とは
 1-1 八重歯も叢生に分類されます
2.永久歯が叢生になるのはなぜ?
 2-1 ①顎のサイズ
 2-2 ②生え換わりの問題
 2-3 ③永久歯のサイズ
 2-4 ④お口周りの癖
3.叢生で矯正治療が必要か判断するには?
 3-1 ①咬み合わせに違和感がある
 3-2 ②口内が傷つくことがよくある
 3-3 ③虫歯になりやすい
 3-4 ④発音がうまくできない
 3-5 ⑤見た目が気になる
4.矯正治療をスタートできる条件
 4-1 叢生で虫歯や歯周病ある場合の矯正治療の流れ
 4-2 叢生の矯正治療で非抜歯で行える症例もある?
5.叢生を改善!ワイヤー矯正とマウスピース矯正
 5-1 ワイヤー矯正
 5-2 マウスピース矯正
6.将来的な叢生のリスク
7.叢生の症例多数!矯正相談は当院へご相談を!

不正咬合の1つである「叢生」とは

叢生とは、歯が並ぶアーチ状の列に対して歯がズレて生えてしまい、ガタガタの歯並びになっている状態で、不正咬合に分類されます。別名「乱杭歯」「ガチャ歯」とも呼ばれ、「八重歯」も叢生の1つです。

叢生は、歯に対して顎骨のサイズが小さい場合や、顎骨に対して歯のサイズが大きい場合など、顎骨と歯の大きさのバランスが悪いと引き起こされやすいです。その原因には、遺伝や性別、生活習慣など様々な問題が関係しています。

厚生労働省による調査では、永久歯が生えそろった年齢である12~15歳を対象にした叢生の割合は、35〜40%との報告があります。この結果から、2~3人に1人は叢生になる可能性があると言えます。

八重歯も叢生に分類されます

八重歯とは、犬歯が歯列から外側にはみ出した状態のことをいいます。歯と顎骨のサイズのバランスが悪いことにより、犬歯が生えるスペースが不足することが原因です。そのため、叢生の1種として分類されます。
笑うと口元から見える八重歯は可愛い印象もありますが、歯並びや咬み合わせに悪影響を及ぼしたり、歯と歯の重なりのせいで汚れがたまりやすかったりするため、治療をおすすめしています。

永久歯が叢生になるのはなぜ?

永久歯が叢生になる原因は様々です。1つの原因だけではなく、複数の原因が重なって起こることもあります。
この項目では、叢生の原因についてご説明します。

①顎のサイズ

顎骨の成長が遅いことや、遺伝、生活習慣などが原因で、歯に対して顎骨のサイズが小さくなることがあります。そうすると、歯が生えるスペースが足りず、叢生になりやすいです。

②生え換わりの問題

子どもが人や物にぶつかったり、転倒したりした時に、乳歯の前歯が破折、あるいは神経が壊死してしまうことがあります。それによって歯を失い、隣の歯がその隙間を埋めるように動くことで、永久歯が生える隙間が足りなくなって歯と歯が重なって生えてきやすくなります。
虫歯が進行して乳歯が早期に抜けてしまった場合にも、同じことが言えます。

③永久歯のサイズ

遺伝により1つ1つの永久歯が大きいと、歯が生えるスペースが足りなくなり、永久歯が捻れるように生えたり、重なってしまったりすることがあります。特に、前歯部分のスペースが足りないと、八重歯になりやすいです。

④お口周りの癖

上顎の歯が並ぶアーチは、舌が正しい位置にあることで広がります。それに伴って顎も成長します。

舌の正しい位置は、上の前歯の裏側の、根元あたりの歯茎(スポット)に舌の先端が接していて、舌全体が上顎に吸着している状態です。
舌がこの位置よりも低い位置にあると、顎の成長がうまく進まず、顎が小さくなることで叢生になりやすいです。
上の歯が叢生になると、下の歯並びも一緒に叢生になる傾向があります。

また、舌の癖以外にも、指しゃぶりや爪噛み、頬杖などの癖も、叢生の原因として挙げられます。

叢生で矯正治療が必要か判断するには?

歯並びが叢生だと、見た目だけではなく、咬み合わせや発音、虫歯などの機能面にも悪影響を及ぼすことがあります。
もし、口元にコンプレックスを感じたり、虫歯ができやすかったり、咬み合わせに違和感がある場合は、歯科医院で矯正相談を受けていただくことをおすすめします。ご本人が、どのくらい悩まれているかも判断基準として非常に重要です。

①咬み合わせに違和感がある

叢生は、歯が生える位置がガタガタであるため、上下の歯がバランスよく咬み合いません。そのため食べ物をしっかり咀嚼できないまま飲み込むことが多く、消化不良を起こしてしまうことがあります。
栄養の吸収が十分にできず、便秘や肌荒れも引き起こしやすいです。

②口内が傷つくことがよくある

歯並びがガタガタしているために、お口の中の粘膜を誤って咬んだり、歯が当たって口内を傷つけてしまったりすることがあります。
傷が口内炎になることも少なくありません。
特に八重歯は、犬歯が若干尖った形をしているので、繰り返し口内に傷がつきやすいです。

③虫歯になりやすい

叢生は、歯と歯の重なりだけではなく、歯の捻じれや傾きが見られることもあります。
それによって、歯磨きがしにくく、プラーク(歯垢)が蓄積しやすいです。
特に、歯と歯の間は丁寧にケアしていないと、虫歯を繰り返すことが非常に多いです。

④発音がうまくできない

歯並びがガタガタしていると、舌が歯に当たって思うように発音できなかったり、滑舌が悪くなったりすることがあります。
ただし、矯正治療で歯並びが改善したからといって、すぐに発音も改善するわけではありません。発音や滑舌を改善するには、矯正治療と舌のトレーニングを一緒に行う必要があります。

⑤見た目が気になる

叢生は前歯で起こることが多く、口を開けた時に見えやすいです。そのため、口元にコンプレックスを感じてしまい、「口元が気になって思い切り笑えない」「話す時に手で隠してしまう」といったお悩みから、人前で会話すること自体がストレスになってしまう方も少なくありません。

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矯正治療をスタートできる条件

歯はもちろん、歯の周りの組織(歯茎や歯槽骨、歯根膜)が健康な状態でないと、矯正治療をスタートさせることはできません。
この項目では、矯正治療を始める上で大切な条件とその理由についてご説明します。

<虫歯がないこと>
矯正治療を始めるには、虫歯がないことが条件となります。矯正治療中は矯正装置を歯に装着するため、虫歯のリスクが高まりやすいからです。

矯正治療中に虫歯の治療が必要になった場合、装置の付け替えや再作成が必要になり、治療期間が長くなる原因にもなりかねません。
治療前のお口の検査で虫歯が見つかった場合は、虫歯治療を優先して行い、完了してから矯正治療をスタートします。

<歯周病にかかってないこと>
矯正治療では、歯の根っこ(歯根:しこん)と歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)の間にある歯根膜(しこんまく)に、少しずつ力を加えることで歯を移動させます。そのため、骨が健康であることが大切です。

歯周病が進行すると、炎症が歯槽骨に拡がることで骨自体が吸収し、骨量が減少してしまいます。その結果、歯槽骨が歯を支えられなくなり、歯がグラグラしてしまうことがあります。このような状態では、矯正治療は不可能です。

歯周病により歯を残すことができない場合は、抜歯を行い、他の歯を矯正治療で整えた後に人工歯で補う方法もあります。
初期から中等度の歯周病では、歯周病治療を優先して行い、症状が改善した後に矯正治療を行うこともできます。

<顎骨に問題がない>
顎のサイズが小さすぎたり、上下の顎骨にズレが生じたりしている場合は、矯正治療のみで改善することが難しいです。矯正治療と合わせて外科治療を行うことで、顎骨にアプローチして根本的な原因を改善させます。

<アンキローシス(歯根の癒着)が発症していない>
アンキローシスとは、歯根と歯槽骨が直接くっついてしまうことです(癒着)
本来、歯根と歯槽骨の間には歯根膜というクッションのような組織が存在します。しかし、何らかの原因で歯根膜がダメージを受けると、そのクッションが失われ、骨と歯が癒着してしまいます。
このような状態では、力をかけても歯を動かすことができないため、矯正治療が難しくなります。

アンキローシスの主な原因は、事故やスポーツなどによる外傷、歯の再植、乳歯の虫歯の放置などが挙げられますが、原因不明で突然起こることもあります。

<顎感染症を起こしてない>
主な顎感染症には以下のものが挙げられます。

  • 根尖性歯周炎:歯の根の先端に膿ができており、レントゲンで病巣が確認される状態
  • 智歯周囲炎:親知らずの周りにプラークなどが蓄積し、細菌感染によって炎症が起きている状態
  • 骨髄炎:口の中の細菌が顎骨中の骨髄にまで達し、炎症している状態
  • 重度の歯周病:歯周病菌が歯周ポケット内部で増殖し、顎骨まで炎症が拡がった状態

これらの顎感染症が発症している場合、顎骨の再生と修復がスムーズに進まず、歯が移動しにくいことがあります。

また、矯正治療を行うことで、炎症の拡大、歯根や歯槽骨の吸収、歯がグラスつく、などのリスクが高まります。そのため、それらの治療を完了させてから矯正治療を検討する流れが一般的です。

叢生で虫歯や歯周病ある場合の矯正治療の流れ

叢生で矯正治療を行うにあたって、事前に虫歯や歯周病が見つかったら、虫歯治療と歯周病治療を優先的に行います。
その理由は下記のとおりです。

  • 矯正治療では、装置を装着することにより、虫歯や歯周病リスクが高まりやすいため
  • 矯正治療中に虫歯治療や歯周病治療を行うと、装置の取り外しや再作成が必要となり、治療期間が長引くことがあるため
  • 矯正治療中はお口のケアが難しくなり、重症化する可能性があるため

<矯正治療までのステップ>

①虫歯治療・歯周病治療を受ける
虫歯治療では感染部位を除去し、歯周病治療では細菌感染の原因となるプラーク(歯垢)・歯石を除去を行って、症状の改善を目指します。
症状が進行しているほど治療の回数が増えるので、早めに治療を進めるように心がけましょう。

②症状の改善
特に歯周病は、治療が完了してもすぐに症状が改善するわけではありません。治療に加えて、セルフケアを行うことが重要です。丁寧なセルフケアを行うことで、お口の中のプラークの蓄積を防ぎ、細菌の増殖を抑えることができるので、炎症や出血が改善しやすいです。
歯周病治療後は、歯茎の検査を行って、出血や炎症などの症状が改善しているか診断し、次のステップに移行します。

③矯正治療スタート
虫歯や歯周病の症状が改善したら、矯正治療をスタートします。矯正方法は主に2つ、マウスピース矯正とワイヤー矯正です。
矯正治療で歯並びを整えることは、虫歯や歯周病の再発防止にも繋がります。

※虫歯や歯周病が重度でその歯が保存できない場合は、抜歯を行うこともあります。
抜歯する歯によっては、抜歯したスペースを利用して歯を動かし、歯並びや咬み合わせを整えることもできます。
虫歯や歯周病の進行度合や、抜歯スペースが矯正治療に利用できるかどうかは、実際にお口の状況を診てみないと判断できないので、まずは歯科医院で診てもらいましょう。

叢生の矯正治療で非抜歯で行える症例もある?

叢生の矯正治療では、歯を動かすスペースを確保するために抜歯を行うことが多いですが、全ての症例で抜歯が必要とは限りません。
この項目では、抜歯が不要な「非抜歯矯正」と、抜歯が必要となる「抜歯矯正」について解説します。

非抜歯矯正となるケース

軽度の叢生であれば、非抜歯となる可能性が高いです。歯と歯の重なりや捻じれがわずかで、叢生がほとんど目立たない状態であれば、抜歯なしで矯正治療を行うことがあります。
また、「すきっ歯」を併発している状態であれば、その隙間を利用して歯を移動できるので、抜歯なしで矯正可能な場合もあります。

抜歯矯正となるケース

顎が小さめだったり、歯が大きめだったり、顎と歯のサイズがアンバランスな場合は、抜歯が必要です。
また、叢生に加えて受け口や出っ歯を併発している場合は、抜歯を行います。
矯正治療での抜歯に抵抗を感じられる方もいらっしゃると思いますが、無理に非抜歯で矯正治療を行ってしまうと、出っ歯が悪化したり、口の突出感が目立ったり、咬み合わせが悪くなることもあります。そのため、非抜歯にこだわりすぎないことも、矯正治療を成功させるうえで大切なポイントです。

叢生を改善!ワイヤー矯正とマウスピース矯正

「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」について表にまとめたので、ぜひご参考になさってください。

ワイヤー矯正


治療内容 ・精密検査(虫歯チェック、歯茎の検査、レントゲン・CT撮影、お口の型どりなど)を行います
・歯面にブラケットと呼ばれる装置を接着します
・ブラケットに形状記憶ワイヤーを通し、ワイヤーが元の形に戻ろうとする性質を利用して歯を移動させます
・基本的には月に1回の通院が必要で、その時にワイヤーの交換、装置の調整、歯の動きの確認をします
・ワイヤー矯正は主に「表側矯正」と「裏側矯正」の2つに分類されます
・ブラケットを歯の表面に接着するのが「表側矯正」、裏側に接着するのが「裏側矯正」です
特徴 ・歯を比較的大きく動かすことができるため、歯と歯の重なりが大きかったり、抜歯が必要になったりするなど、難易度の高い症例にも適応しやすいです
・裏側矯正は装置が目立ちにくいです
・装置が固定式で装着したままのため、装着時間を気にしなくても良いです
・つけっぱなしで常に矯正力をかけられるため、治療が計画通りに進みやすいです
注意点 ・表側矯正は装置が目立ちやすいです(医院によっては、白色や透明な目立ちにくい装置をオプションで選ぶことができます)
・装置が固定されているため歯磨きがしにくく、丁寧なケアが大切です
・装置が出っ張っているためお口の中が傷つきやすいです
費用の目安 ・表側矯正:部分矯正30~60万円、全体矯正60~80万円くらい
・裏側矯正:部分矯正30~70万円、全体矯正100~150万円くらい
※裏側矯正は難易度が高く、歯科医師の高い技術が求められるため、他の方法と比べ費用が高額です
治療期間の目安 ・部分矯正:半年~1年半くらい
・全体矯正:2~3年くらい

マウスピース矯正


治療内容 ・精密検査(虫歯チェック、歯茎検査、レントゲン・CT撮影、3Dスキャナーでの読み取り)を行います
・口内専用3Dスキャナーにてお口の様子をデータにして、パソコンに読み取ります
・データを元に、少しずつ微妙に形が違うマウスピース型矯正装置を規定の枚数作製します(外注依頼のため、発注から医院への到着まで約1カ月かかります)
・マウスピース型矯正装置を装着して、自分で交換しながら歯を動かします
・装置の交換は2週間に1回、1日の装着時間は20時間以上、通院頻度は2カ月毎です
(お口の状態により個人差があります)
特徴 ・透明な樹脂素材で作られたマウスピース型矯正装置を使用するので、目立ちません
・取り外しができる装置なので、歯磨きや食事が普段通りにできます
・歯の組織である歯根膜と同じ幅(0.25㎜)で歯を移動させるため、痛みが少ないです
・自分で装置を交換できるので通院頻度が少ないです(お口の状態により個人差があります)
注意点 ・装置の交換時期や装着時間の自己管理が必要です
・矯正治療をスタートして1週間は痛みを感じやすいです(慣れると痛みは落ち着きますが、症状が強い場合は痛み止めなどを使用します)
・外出時に外した場合、紛失や置き忘れには要注意です
費用の目安 ・部分矯正:30~50万くらい
・全体矯正:60~100万くらい
治療期間の目安 ・部分矯正:半年~1年半くらい
・全体矯正:2~3年くらい

将来的な叢生のリスク

叢生で歯と歯が重なっていたり、咬み合わせが悪かったりすると、見た目以外にも、お口の機能や全身の問題にも繋がりやすいです。それらの問題について詳しく解説します。

<虫歯や歯周病の頻発>
叢生が起こっていると、歯と歯の重なり、捻れ、傾きが見られるため、その分、歯が磨きにくくなります。そうすると、磨き残しが発生しやすく、虫歯や歯周病を発症するだけでなく、再発を繰り返しやすいです。

<咀嚼がうまくできず胃腸に負担が起こる>
叢生は、歯の生える位置がズレているため、上下の歯がうまく咬み合うことができません。そのため、しっかり咀嚼できず、咀嚼不十分な食べ物がそのまま胃腸に入り、消化不良を引き起こしやすいです。栄養の吸収も不十分で、便秘や肌荒れなどの問題が起こることもあります。

<顎関節症のリスク>
咬み合わせのバランスが悪いと、片方に咬む力が偏るなど顎関節に負担がかかる状態になります。顎関節に負担がかかると、顎関節の間にある顎関節円板と呼ばれる軟骨がすり減り、カクカク関節音がなったり、口が大きく開かない、口を開ける際に痛みが伴うなどの顎関節症になる可能性が高くなります。

叢生の症例多数!矯正相談は当院へご相談を!

日本人は遺伝子的に顎骨のサイズが小さいため、叢生や八重歯になりやすいです。
叢生は、矯正治療で治すことができます。主な方法はワイヤー矯正とマウスピース矯正で、お口の状態に合った治療方法を選択することが大切です。

当院には、叢生の患者様も多く来院されており、しっかりとした実績があります。
実際にお口の中を見させていただいた上で、あなたに合った治療をご提案させていただきますので、叢生はもちろん、歯並びで気になることがある方はぜひ当院にご相談ください。無料カウンセリングも実施しておりますので、お気軽にご利用ください!

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監修者:増岡尚哉

歯科医師・歯学博士(D.D.S. , Ph.D.)|マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)の講師として歯科医師向けに講義・講演活動をしています。

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【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

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