COLUMN

歯列矯正の基礎知識コラム

【監修:歯科医師・矯正認定医 増岡尚哉】


マウスピース矯正(インビザライン)なら装置を取り外せるので、食べ歩き・飲み会に参加することは可能ですが、注意点を理解しておく必要があります。

インビザライン矯正中の外食は、どんなことに気を付ける必要があるでしょうか?今回は、インビザライン矯正中の飲食について気になる方のために注意ポイントをまとめました。

【目次】
1、食べ歩き・飲み会・食事会などで気を付けたい5つのポイント
  ①飲食時マウスピースは必ず外すこと
    マウスピースは必ずケースで保管
  ②着用時間を守ること
  ③食後は口内をきれいに保つこと
  ④粘着性、固いものはなるべく避けること
  ⑤食後のつけ忘れに注意すること
2、インビザラインの飲食にまつわるQ&A
  Q1.インビザラインをしたまま食べられるものはある?
  Q2.インビザラインしたまま飲めるものはある?
  Q3.インビザラインをつけたままお酒は飲んでもいい?
  Q4.装着時間を守れなかった。どうしたらよい?
3、食べ歩きの注意ポイント
4、飲み会での注意ポイント
5、外食時に持っていると便利なもの
6、食べ歩きや飲み会にもインビザラインがおすすめ

食べ歩き・飲み会・食事会などで気を付けたい5つのポイント

マウスピースの管理方法・装着時間・清掃性を保つこと、また食事内容について気をつける点をお伝えします。

①飲食時マウスピースは必ず外すこと

飲食をする際は、必ずマウスピースを外しましょう。装着したまま飲食をしてしまうと、次のような問題があります。

  • 色の濃いワイン・コーヒー・紅茶・緑茶は、”着色の原因”に。
  • 白湯・ホットコーヒー・温かいお茶は、”変形の原因”に。
  • 食物を噛むことで、”破損の原因”に。
  • マウスピースの隙間から、食べカスや糖分が入り込み、”虫歯の原因”に。

インビザライン矯正で使用するマウスピースは薄いプラスチックで出来ているため、強度が高い訳ではありません。破損・変形によって治療期間が延びてしまうことがないようにしましょう。

マウスピースは必ずケースで保管

外したマウスピースをケースに入れずに保管をしてしまうと、紛失の原因に繋がります。

また、ティッシュに包んで保管をするとゴミと勘違いして捨ててしまうこともあるかもしれません。落として、踏んでしまうようなことがあれば破損にもつながります。

食べ歩き・飲み会・食事会の際には必ず専用のマウスピースケースを持っていきましょう。

②着用時間を守ること

マウスピースの必要装着時間は、”20時間以上”です。まずはこの時間を守れるように予定を組みましょう。飲食が済んだら忘れず再装着をしましょう。

また、新しいマウスピースは長時間装着できるよう調整しましょう。

マウスピース交換直後の3日間は、装着時間が短くなりそうなイベントは避けましょう。

イベント前は、交換前のマウスピースの装着期間を延ばす等、担当医と相談が必要な場合もあります。

③食後は口内をきれいに保つこと

口腔内が不衛生な状態のままマウスピースを装着してしまうと虫歯のリスクを高めます。食後はきれいな状態を保つために、”歯磨き”をする時間をとり、再装着しましょう。

”歯磨き”をすることが難しい状況であれば、うがいをしたり、水を飲んで食べカスが極力残らないようにしてから再装着し、帰宅後にきちんと歯磨きをしましょう。

できるだけマウスピースも流水下で洗い流し、口腔内とマウスピースの両方の清潔を保ちましょう。

定期的に歯科医院を受診し、クリーニングを受けることもとても重要です。

④粘着性、固いものはなるべく避けること

ガムやキャラメルなどの粘着性の高い食べ物は、歯の表面に残りやすく、再装着時に注意が必要です。歯の表面に残ってしまっているとマウスピースにくっついて取れなくなってしまうこともあります。

また、せんべいやステーキ等の硬い食べ物は歯を痛める可能性があるため避けましょう。

インビザライン矯正を始めたばかりの方や、マウスピースを交換直後など、歯が動き始めて不安定な状態のときは、特に硬い食べ物は避けた方が良いでしょう。

⑤食後のつけ忘れに注意すること

食べ歩き・飲み会・食事会に参加することは、インビザライン矯正中でも問題ありませんが、”つけ忘れ”には必ず注意しましょう。

アルコールが入ると盛り上がって、つい忘れてしまうことがあります。

前もってスマートフォンのリマインド機能を設定しておいたり、周囲の人に伝えておくなどして、つけ忘れを防ぐ工夫をしましょう。

インビザラインの飲食にまつわるQ&A

結論からお伝えしますと、マウスピース装着中の飲食は、水以外はNGです。その理由を装着時間の疑問についてお伝えします。

Q1.インビザラインをしたまま食べられるものはある?

装着したまま食べてしまうと、 

●食物を噛むことで<破損の原因>になる。
●マウスピースの隙間から、食べカスや糖分が入り込み<虫歯の原因>になる。

そのため、装着したまま食べられるものは無いと考えていただいた方が良いと考えます。

Q2.インビザラインしたまま飲めるものはある?

●色の濃いワイン・コーヒー・紅茶・緑茶は<着色の原因>に。
●白湯・ホットコーヒー・温かいお茶は<変形の原因>に。
●ジュース・スポーツドリンク等の清涼飲料水・炭酸飲料は多くの糖分を含むため<虫歯の原因に>

しかし、お水・炭酸水(フレーバーの無いもの)はマウスピースに影響せず、虫歯の原因にもならないので摂取しても問題ありません。

Q3.インビザラインをつけたままお酒は飲んでもいい?

お酒は、糖分が含まれていることがほとんどです。装着したままお酒を摂取してしまうと、マウスピースと歯の間に糖分が入り込み、虫歯の原因になるため、基本、インビザラインを装着したままの飲酒はNGとお考え下さい。

Q4.装着時間を守れなかった。どうしたらよい?

マウスピースの必要装着時間は、”20時間以上”です。しかし、1日程度守れなくても問題はありません。

まずは、1日20時間以上を必要がありますが、装着時間が守れなかった場合、7日間で交換していた場合は8日間、10日間交換であれば、11日間など、交換日数をとることで調整が可能なことがあります。

ただし、自己判断で装着日数を変えることはトラブルにつながる可能性があります。必ず主治医に相談し、装着日数を伸ばすか・そのまま進めて良いのか指示を受けてください。

当院では治療中のご質問もLINE・お電話でお問い合わせいただけるので、ご心配ごとがある場合にはご一報いただきますようお願いいたします。

無理に進めてしまうと、うまくフィットせず、結果的にマウスピースを作り変えることになって、数ヶ月治療が延びてしまうこともあります。

気になることがあれば、遠慮なくお問い合わせください。

食べ歩きの注意ポイント

食べ歩きでは、食事会のようにお手洗いにいってマウスピースを外したり、再装着前の歯磨きをすることができないことも多いですよね。

そのため、以下の3つに気を付けましょう。

●食べ歩きの時間は4時間以内で終わるようする
●食べ歩きが始まる直前にマウスピース外す
●食べ歩きが終わったら、水やマウスウォッシュなどで口を洗い、マウスピースも軽く水洗いをし、速やかに装着する

また前述通り、粘着性のあるもの・硬いものは控えましょう。

飲み会での注意ポイント

アルコールが入ると、マウスピースをどこに置いたのか忘れてしまい、紛失してしまう可能性があるため、飲み会が始まる直前にマウスピースを外し、必ずケースにしまうようにしましょう。

また、盛り上がってしまい、つけ忘れてしまうことも多いので、前もってスマートフォンのリマインド機能を設定しておいたり、周囲の人に伝えておくなどして、つけ忘れを防ぐ工夫をしましょう。

再装着する際は、歯磨きをし、清潔な状態でマウスピースをつけましょう。

外食時に持っていると便利なもの

マウスピース矯正中は、以下のものを持っておくととても便利です。

  1. マウスピースケース:専用ケースにいれることで、破損や紛失の防止になります。
  2. 歯磨きセット:清潔な状態で再装着できるように必ず持ち歩きましょう。フロス(糸ようじ)もおススメです。
  3. マウスウォッシュ:歯磨きまではできないという場合に代用しましょう。
  4. 水:水道がない場所でも、最低限の口腔内の清掃に役立ちます。
  5. ウェットティッシュ:マウスピースを外した際に拭き取りに使用できます。

食べ歩きや飲み会にもインビザラインがおすすめ

インビザライン矯正の最大の魅力は、他の矯正方法とは異なり、飲食時に装置が外せることです。

ワイヤー矯正などに比べると飲食の制限は少ないので、食事を楽しむことができます。

何より注意したいのは、装着時間を守るということです。

インビザラインは、多くのメリットがある矯正治療方法です。

当院では、矯正治療をお考えの方・マウスピース矯正について詳しく知りたい方向けに、無料カウンセリングを実施しております。

無料カウンセリングでは、日本矯正歯科学会認定医・矯正指導医が実際にお口の中を拝見した上で、ご質問やご相談にお答えします。

「仕事柄、外食の機会が多いのでマウスピース矯正ができるか心配」
「管理が難しいと聞いたが、他の人はうまくできているのだろうか」
「私はマウスピース矯正で治療可能なのか知りたい」

など、どんなことでもご相談ください。経験豊富な矯正医が、過去のデータに基づいてしっかりお答えします。

それではあなたからのご相談をお待ちしております。

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