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歯列矯正の基礎知識コラム

綺麗な歯のイラストを下から支える手

矯正治療中は、虫歯や歯周病、そして何より口臭を予防するために「お口の手入れ」を正しく行い、汚れを溜め込まないことがカギになります。
今回は矯正治療中に口臭が発生する原因と、口臭の改善方法についてご紹介いたします。

【目次】
1、歯列矯正中に口臭が気になる理由
 ・歯列矯正中の口臭の原因
 ・インビザラインでの治療の場合
2、歯列矯正中も口内を清潔に保つコツ
 ・自宅でできるオーラルケア
 ・歯科医院でのオーラルケア

歯列矯正中に口臭が気になる理由

汚れが溜まりやすい歯並びは、虫歯や歯周病などによる口臭を引き起こします。また、咬み合わせが悪いと口呼吸になり、口の中が乾燥して口臭を悪化させてしまうのです。
そのため、「歯並びを整えることで、口臭が改善されると聞いて矯正治療を始めた」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、いざ矯正治療を始めてみたら以前より口臭がひどくなったと感じる人も・・・。
これはなぜでしょうか?

歯列矯正中の口臭の原因

矯正治療中に口臭が発生する原因は、主に3つあります。

1)歯ブラシが届かず、磨き残しがある
矯正治療中のお口は、装置や器具に汚れが溜まりやすい状態です。そのため、通常の歯ブラシや磨き方では、ケアが行き届かず磨き残しができてしまいます。そこに細菌が増殖して歯垢できることで、口臭が発生するのです。

2)    口内炎や膿などの炎症がある
ワイヤー矯正では矯正の器具が頬の内側や歯茎、唇などに当たり、口内炎などのトラブルが多くなります。炎症が悪化すると悪臭をもつ膿がでることも。

3)    口の中が乾燥している
矯正治療中に、必要に応じて一時的に咬み合わせをゆるめる場合があります。そうするとお口が開いたままの状態になりやすく、唾液量が減って乾燥した状態に。これが原因で、口臭を引き起こす細菌やウイルスが、お口の中で増殖してしまうのです。

矯正治療が口臭を強くする原因となることは、できれば避けたいですよね。そのためには汚れを溜めこまないように、丁寧な歯磨きを行うことが大切です。

インビザラインでの治療の場合

マウスピース型カスタムメイド矯正(インビザライン)をご存知ですか?
これはワイヤーを使ったブラケット矯正と異なり、取り外しが可能な矯正装置です。歯磨きを普段通りに行うことができ、定期的に新しいマウスピースに取り換えて歯を動かしていくので衛生的な所も口臭予防に繋がります。

インビザラインでの治療でも口臭が気になる場合は、マウスピースのお手入れ方法を見直したり、唾液を増やしてお口の乾燥対策を行ったりすると良いでしょう。

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歯列矯正中も口内を清潔に保つコツ

矯正治療中の口臭対策には、毎日のお口のケアが欠かせません。では、具体的にどうしたらよいのでしょうか?ご自宅でもできる口臭予防と、歯科医院で受けるべきケアについてご紹介します。

自宅でできるオーラルケア

まずは、歯磨きの仕方を見直してみましょう!ポイントは4つです。

  • 「食べたら磨く」「寝る前の歯磨き」の習慣を
  • 鏡を見ながら「ワンタフトブラシ」や「歯間ブラシ」などを併用する
  • 液体歯磨きやデンタルウォッシュ(洗口液)を使う
  • 唾液量を増やす

歯列矯正中は器具との間などに汚れが付着しやすいので、通常よりも丁寧なブラッシングが大切です。食べカスや磨き残しはお口の細菌のエサとなり、虫歯や口臭を引き起こすため歯垢の除去はしっかりと行いましょう。
通常の歯ブラシでお手入れしにくい部分は、「ワンタフトブラシ」や「歯間ブラシ」、「デンタルフロス」などを合わせて使うのがおすすめです。

最低でも1日1回は、しっかりとお手入れするのが口臭予防のポイント!
特に寝ている間は唾液による自浄作用が少ないため、「就寝前」の歯磨きは丁寧に行うと良いでしょう。ただし、無理にブラッシングをすると矯正器具が外れてしまう可能性があるので、注意してくださいね。

また、液体歯磨きやデンタルウォッシュ(洗口液)を利用すると、より細かくお口の汚れを取り除くことができます。
液体歯磨きは、口の中に入れてうがいをしながら歯の全体に液体を行き渡らせ、液体を吐き出した後に歯ブラシで通常通りブラッシングします。デンタルウォッシュ(洗口液)は歯磨き後にブクブクとうがいをするように使用し、お口の中を清潔に保つのに効果的です。

ご自宅でできる口臭対策には、唾液の分泌量を増やすことも重要です。
「よく噛んで食べる」「水分をこまめに補給する」などして唾液が出るのを促しましょう。
水分補給をする際には、糖分が入っていない水やお茶がおすすめです。一度にたくさん飲まず、口内を潤す程度の少ない量を、こまめに飲むようにしましょう。

歯科医院でのオーラルケア

実はお口に付着した「歯垢」はやわらかく、歯ブラシなどで取ることができますが、そのままにしておくと「歯石」となり固まって歯にこびりつくようになります。歯石は石のように硬いため、歯ブラシでは落とせません。
歯垢も歯石も細菌の塊のため、口臭だけでなく虫歯や歯周病の原因となります。そのため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けて除去する必要があるのです。

マウスピース矯正(インビザライン)なら、矯正治療中も取り外しができるので、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが可能です。

セルフケアを一生懸命がんばっていても、どうしても自分では取り切れない汚れは出てきてしまいます。歯科医院にある専用の器具で、取り切れない汚れをしっかりと除去してもらいましょう。

また歯科医院では、あなたのお口に合わせた歯磨き指導をしてくれます。矯正治療中に虫歯や歯周病が進行してしまうと、治療期間にも影響しかねません。
歯周病予防も合わせて、お口全体のチェックや正しく磨けているかを定期的に確認してもらうことをおすすめします。