COLUMN

歯列矯正の基礎知識コラム

【監修医:矯正歯科学会 認定医&指導医 増岡 尚哉】



中学・高校生のお子さまをもつ親御さんから矯正のご相談をいただくことが増えています。

「自分がもし昔に戻れるなら、10代のうちに矯正をしたかった」と仰る親御様も多く、確かに10代で矯正治療を始めることは非常に多くのメリットがあります。

今回はなぜ中学生・高校生で矯正治療を始める方が多いのか、そして10代で矯正治療を行うメリットについてご紹介します。

【目次】
1、なぜ、中学生から矯正治療を望む親御様が増加するのか?
 ・矯正経験のある母親の実に6割は子どもにも矯正をさせたいと考えている
 ・子供にさせたい第1位は「マウスピース矯正」
2、中高生にインビザラインをおすすめする理由
3、見た目を気にする時期だからこそインビザラインがおすすめ!

なぜ、中学生から矯正治療を望む親御様が増加するのか?

矯正装置「インビザライン」を提供しているアライン・テクノロジー・ジャパン株式会社が「矯正治療を経験した母親」を対象にあるアンケートを行ったところ、約79.6%の方が

「自分の子供には15歳までに矯正をさせたい」

と回答しました。

なぜ、多くの親御さんが中高生のうちに矯正を望んでいるのでしょうか?

矯正経験のある母親の実に6割は子どもにも矯正をさせたいと考えている

なぜ、自分の子供にも矯正をさせたいと思っているのか、アンケート結果を詳しく見ていくと

  1. 見た目(コンプレックス)
  2. 口腔衛生のため

という理由が上位を占め、やはり見た目の問題を解決してあげたいと思う親心を反映する結果になりました。

矯正治療を経験した親御様だからこそ、コンプレックスを早期に改善してあげたいと考える傾向が強いようです。

2位の「口腔衛生の面」とは、歯磨きがしづらい、虫歯や歯周病ができやすいといったいわば「健康面」への効果を期待したものです。

「もしも戻れるなら、中学生までに矯正をしたかった」という親御様も多く、ご自身の経験からお子さまが中高生になる時期に矯正治療を検討される方が増える傾向があります。

子供にさせたい第1位は「マウスピース矯正」

矯正治療といってもワイヤータイプ・マウスピースタイプなど種類はあります。アンケートの中で、子供さんにさせたい矯正方法としては「マウスピースタイプの矯正」を選ばれる方が1位となりました。

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中高生にインビザラインをおすすめする理由

骨の代謝が活発な中学生・高校生は大人に比べ歯の動くスピードが速いのが特徴です。

治療方法は同じでも、大人とは異なるメリットがたくさんあります。以下、その一部をご紹介します。

1    中・高校生は回復が早いため、効果が早く現れやすい
矯正治療は歯に力を加えます。歯に力がかかると「歯根膜」が伸び縮みしながら歯を支える骨が作られたり壊されたりを繰り返ししながら歯が移動をします。歯の周りの組織の「代謝」が大きく関わっています。中・高校生は歯周組織の新陳代謝が活発に行われるため、歯がスムーズに移動しやすい時期といえるでしょう。


2    部活中でも口内を傷つけにくい
ワイヤー矯正とは異なり、スポーツ中に転倒や人と衝突してしまった時に、口の中をケガするリスクを抑えることができます。取り外しができる為、スポーツ、吹奏楽などのクラブ活動や趣味に与える影響が少ない治療方法です。


3    透明なので、見た目も気にならない
中学生や高校生の時期は、感受性が高く、ワイヤータイプの矯正での治療だと見た目を気にしてコンプレックスを抱くことがあります。しかし、マウスピースタイプの矯正治療であれば透明で着けていることが周囲にわからため気づかれずに矯正治療をすることができます。


4    通院回数が少なくてすむ
年齢を重ねると骨の代謝も低下してくるため、歯を動かすのに必要な期間が中・高校生よりも長くなります。スムーズに歯が動くこの時期に矯正治療を行うことで、成人矯正に比べ治療期間が短くなる傾向にあります。そのため、通院回数も少なくなります。


5    食事中に外せるので違和感なく使用できる
取り外しができる為、ワイヤー矯正のように食べ物がワイヤーに引っかかってしまう心配はありません。硬いものを噛んでも装置が外れることもないので食事の際も見た目などを気にせずに楽しむことができます。


6    非抜歯で治療ができる
成長期をすぎてしまった状態から矯正治療を始めるとなると、歯を並べるためにスペースを確保しなくてはいけません。その為、歯を抜く必要があります。しかし、成長期に矯正治療をする事で顎の成長を促進しバランスを整えることで歯を抜かずに矯正治療を終了できる可能性が高くなります。


7    虫歯や歯周病のリスクを減らせる
ワイヤータイプの矯正は歯の表面に装置を付けるため、歯磨きが難しくなります。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。マウスピースタイプの矯正だと装置を自分で外すことができ、歯磨きもしやすくお口の中を清潔に保つことができます。

見た目を気にする時期だからこそインビザラインがおすすめ!

中学生・高校生の時期は、歯並びも気になりますが、治療中の装置に対しても気にする時期です。

だからこそ、治療していることがわかりにくいインビザラインで治療をすることをおすすめします。

部活や勉強で忙しくなる時期ですが、進学・新生活を迎えるまでに始めてみませんか?

一度、近くの歯科医院でご相談してみてください。





【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。