大人の歯列矯正で後悔しないために!歯並びにあった治療方法を選ぼう
出っ歯、受け口、すきっ歯、叢生、交叉咬合、開咬、正中不一致など、歯並びの悪い症状は様々であり、その症状によって治療方針や治療方法も異なります。治療方法には、大きく矯正と手術と分かれますが、多くの場合、リスクが少ない矯正が選択されます。本記事では、症例ごとの一般的な矯正方法とその治療期間や料金の目安をご紹介します。
あなたはどのタイプ?悪い歯並びの代表的な症例
ご自身の症状には、どの治療法が適しているのか。それを知るために、まずはご自身がどの症例に当てはまるのかを知る必要があります。
ここでは、各症例の主な症状、原因を解説します。
症例 | 症状 | 原因 |
出っ歯(上顎前突) | ・上の歯が下の歯より突出している。
・上の歯の先端が、下の歯の先端についていない ・上歯が出ているため、口を閉じられない |
・遺伝によるもの
・指しゃぶり、舌を前に出す、爪かみなどの癖によるもの
・軟らかいものばかりを食べている
・口呼吸である など |
受け口(下顎前突) | ・下の歯が上の歯より突出している
・顎がしゃくれているようにみえる
・下顎が前に出ている
・上歯が内側に向いている |
・遺伝によるもの
・指しゃぶり、舌で前歯を押す癖や頬杖などの癖によるもの
・口呼吸である など |
すきっ歯 | ・上の中央の歯に隙間がある状態(正中離開)
・歯の間に隙間がある(空隙歯列) |
・指しゃぶり、舌で前歯を押す、頬杖などの癖によるもの
・矮小歯(生まれつき歯が小さい)や欠損歯、過剰歯など遺伝によるもの など |
叢生 | ・歯がガタガタ、凸凹に生えている(乱ぐい歯)
・犬歯が歯列から飛び出している(八重歯、鬼歯) |
・歯の大きさと顎の骨の大きさとのバランスが悪いなど遺伝によるもの
・指や舌を噛むなど癖によるもの
・乳歯の虫歯による早期欠損などで乳歯から永久歯への生え変わりがうまくいかなかった など |
交叉咬合 | ・上下のかみ合わせの途中で、下の歯が上の歯より外にはみ出し、歯列が交叉している状態 | ・上顎と下顎の大きさのバランスの悪さなどの遺伝的なもの
・横向きで寝る、指しゃぶり、舌で前歯を押すなどの癖によるもの
・口呼吸である
・上顎か下顎、どちらかがずれる
・軟らかいものばかりを食べている など |
正中不一致 | ・上下の中心がずれている |
・欠損歯(歯が不足している)、歯の大きさと顎の骨の大きさとのバランスが悪いなど遺伝によるもの ・爪を噛む、左右どちら一方だけで噛んでいるなど癖によるもの
など
|
歯並びの悪さは、見た目だけではなく、虫歯や歯周病、頭痛、肩こりなどの悪影響を与える可能性があるため、早めの治療をおすすめします。
代表的な矯正方法と値段、治療期間
矯正装置を使って、時間をかけて歯を動かし、歯並びを治していくことを「歯列矯正」と言います。歯列矯正には大きく以下の3つの方法があります。
ラビアル矯正(唇側からの矯正)
ラビアル矯正とは「表側矯正」とも言われ、最も一般的な矯正方法です。歯の表面にメタルやセラミック、プラスチックなどでできた「ブラケット」と呼ばれる矯正器具をつけ、そこにワイヤーを通して、歯を動かしていきます。
ラビアル矯正には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
<ラビアル矯正のメリット>
1.適用範囲が広い
矯正治療としては一番歴史が長く、様々な症例に対応できます。
2.リーズナブル
他の矯正治療に比べて治療費が安くなることが多いです。
3.取り外しの必要がない
医療用の接着剤を用いて歯に直接装置を付けるので、食事の際なども矯正装置を取り外しする必要がない。
<ラビアル矯正のデメリット>
1.装置が見えやすい
マウスピース矯正が登場するまでは「矯正治療=金属のワイヤー」というイメージが皆さんにもあると思います。見た目が気になる方には向いていない治療方法かもしれません。
2.装置でお口の中が傷ついてしまうことがある
何かの拍子に顔などをぶつけてしまった際にお口の中を傷つけてしまうことがある。また、ワイヤーが外れてワイヤーでお口の中を傷つけてしまうケースもある。
3.歯磨きが難しい
ブラケットの周りに食べかすなどの汚れが溜まりやすくなるので、歯磨きが難しくなる。
舌側矯正
ラビアル矯正が表側に矯正器具をつけるのに対して、舌側矯正は歯の裏側に矯正器具を装着します。「裏側矯正」とも呼ばれ、矯正器具が見えないため審美性の高い矯正方法といえます。マウスピース矯正が登場するまでは、「どうしても矯正装置を見せたくない」という人は舌側矯正(裏側矯正(舌側矯正、リンガル矯正)を選択していました。
以前であれば、芸能人などがこの治療方法で歯並びを治しているケースが多かった治療法です。
<舌側矯正のメリット>
1.外から矯正装置が見えない
舌側矯正のメリットとしては、何と言っても他人から分かりにくいことです。
2.前歯が出ている人は治療がしやすくなる舌側矯正は歯を後方へ引き込んでいくことを得意としているので、前歯の移動が比較的スムーズです。特に出っ歯や受け口の患者さんなど、前歯を後方に移動するケースにおいて舌側矯正は向いている症例と言えるでしょう。
<舌側矯正のデメリット>
1.発音がしにくくなる
ラビアル矯正をすると、一定の発音がしにくくなります。発音は舌を動かすことで音の違いを出します。矯正装置をつけている分、舌を奥に引っ込めることになるので発音が難しくなります。
2.歯磨きが難しい
ラビアル矯正も歯磨きが難しいのですが、舌側矯正は更に歯磨きが難しくなります。磨き残しは虫歯や歯周病の原因になるので、通常以上にブラッシングに時間がかかることになります。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを使ったマウスピース矯正は、今までのワイヤーを使った矯正治療とは異なり『透明で目立たない』『取り外しが可能』『痛みが少ない』という特徴のあり、急激に重要が高くなった矯正治療法です。
<マウスピース矯正のメリット>
1. 透明で目立たない
インビザザラインは透明なマウスピースを使った矯正なので、歯に装着しても目立ちません。薄く滑らかな装置なので、違和感も少なく、話しづらさもほとんどありません。
2. 取り外しが可能
食事の時には取り外すことができるので、装置に食べ物が詰まる心配なく、治療中も普段通りに食事ができます。歯磨きも普段通りにできます。
3.痛みが少ない
ワイヤー矯正と違い、装置が粘膜や舌にあたって痛みを感じることがありません。また、上下の歯を噛んだときに装置全体に力が分散し、移動中の歯の痛みを軽減します。
4.通院回数が少ない
約10日ごとの装置の取り替えはご自分で行います。定期的なチェックに必要な通院は1.5〜3ヶ月毎です。このため忙しい方や遠方の方も負担が少なくて済みます。
<マウスピース矯正のデメリット>
1.装着中は飲食の制限がある
マウスピースは歯にピッタリと密着した装置のため、歯磨き不足のまま着用すると歯とマウスピースの間に汚れが停滞し、虫歯を発生しやすくなってしまいます。
2.歯科医師の力量によって適応できる症例が限られる
ワイヤー矯正とは違いデジタル設計になり、より細かい設定が必要になるので、専門的な知識と経験が必要となりますが、高度な技術があれば、ワイヤー矯正と同様の症例に対応することが可能です。
【主な矯正法の治療期間と費用の目安一覧】
治療方法 | 治療期間 | 一般的な費用 |
ラビアル矯正 (唇側からの矯正) |
1~3年程度 | 60~100万円程度 |
舌側矯正 | 1~4年程度 | 100~150万円程度 |
マウスピース矯正 | 1~2年程度 | 80~100万円程度 |
治療期間や料金は症例や使用する矯正器具、治療方法によっても大きく変わってきます。歯科医院の治療方針によっても異なりますので、同じ矯正方法だとしても、複数の医院に受診し、治療方針や期間、全体の費用を問い合わせる方が賢明です。
症例別おすすめの矯正方法
当院ドクターがおすすめする症例別の矯正方法をご紹介します。それぞれにメリットやデメリットがあるので、よく比較検討してから、矯正方法を選択するようにしましょう。
歯並びの状態 | おすすめの矯正方法 |
出っ歯 | マウスピース矯正 ラビアル矯正 舌側矯正 |
受け口 | マウスピース矯正 ラビアル矯正 舌側矯正 |
すきっ歯 | マウスピース矯正 ラビアル矯正 |
叢生 | マウスピース矯正 ラビアル矯正 |
交叉咬合 | マウスピース矯正 ラビアル矯正 |
正中不一致 | マウスピース矯正 ラビアル矯正 |
矯正方法を選ぶポイント
矯正治療は一度開始すると、長い治療期間がかかります。ですから、事前にお口の中の状況・見た目・痛み・通院回数・料金等、様々な角度から治療方法を比較・検討しておく必要があります。
また治療方法を検討する際には「クリニック選び」ポイントになります。的確なアドバイスをくれたり、具体的なシミュレーションをしてくれる医院に相談しながら、ご自身にあった治療方法を検討していただければと思います。
<クリニック選びのポイント>
1.矯正歯科学会の認定医以上がいる
2.矯正の診断に必要なセファログラム(頭部X線規格写真)撮影が可能
3.装置のメリット・デメリットを説明してくれる
4.具体的な費用・期間を提示してくれる
5.矯正中のトラブルに対応してくれるのか
6.通いやすさ
自分に合った治療方法を選ぶために
マウスピース矯正の登場により、矯正専門の歯科医院だけでなく、多くの一般歯科医院でも矯正治療が行われるようになりました。
各歯科医院ごとで治療内容や料金に特徴があり、また、あなたの歯並びによって向き・不向きの治療方法もあります。また、歯科医師によっては矯正治療の種類によっては得意・不得意もあります。
東京日本橋エムアンドアソシエイツ矯正歯科では、無料カウンセリングを行っており、一般的なご説明だけでなく口腔内写真・iTero(歯並びシミュレーション)などを踏まえてより具体的なお話をさせていただいております。
治療方法や、クリニック選びでお困りのことがありましたら、是非当院へお気軽にご相談ください。