うつぶせ寝はかみ合わせによくない!?子供の寝相が歯並びに与える影響
眠るとき、横に向かないと眠れない方やうつぶせ寝で寝ることが多いという人は大人も子供も意外と多くいます。
寝る姿勢なんて意識していないとお思いの方も多いと思いますが、寝る姿勢が歯並びに影響するとなると、特に子供の歯並びが気になる親御さんにとっては知っておきたいお話ではないでしょうか。
ここでは寝る姿勢が歯並びにどんな影響があるのか詳しくお話ししていきます。
【目次】
1、うつぶせ寝とかみ合わせの関係
2、うつぶせ寝が歯と顎に与える悪影響
・歯並びが悪くなる
・顎関節症になる
3、うつぶせ寝を止めて「仰向け寝」になるコツ
4、お子さんのかみ合わせ・歯並びが気になったら
うつぶせ寝とかみ合わせの関係
普段何気なくしている姿勢や癖によって、歯並びやかみ合わせが悪くなると言われています。
例えば、
- 頬杖をつく
- 口呼吸をする
- 爪を噛む
- 舌で前歯を押す癖
などが挙げられ、子供だと
- 指しゃぶり
- ポカン口
- よく噛まずに食べる
これらがよく指摘される悪い姿勢や癖です。この他に
- 横向きで寝る
- うつぶせ寝
このような寝相も日常の癖です。
寝ている間は長時間同じような姿勢のままになることが多く、それが横向きだと一方に体重がかかり続けることになります。頭の重さは4~5kgあり、その重さが下になっている側にかかり続けると身体のバランスに加えて顔や顎の歪み・歯並びに影響を与えることになります。
これが毎日続くと気付かないうちに顔や歯並びのバランスが崩れていくことになります。
特にうつぶせ寝になると顔全体の重さが下方向にかかるので歯や顎のバランスが悪くなります。うつぶせの体勢で寝ていると鼻では呼吸がしにくくなるので口呼吸にもなりやすくこの口呼吸も歯並びに悪い影響を与える一つと言われています。
子供の歯が生え変わる時期やそれに伴って顎が成長する時期には、特にこのようなうつぶせの寝相には注意しなければなりません。
うつぶせ寝が歯と顎に与える悪影響
うつぶせ寝によって身体の歪みが生じやすくなることもありますが、歯並びと顎にも悪影響を与えます。
枕はやわらかいものを使っていても、頭の重さと枕に挟まれる力は意外と大きく顎が片方にずれたり歯並びは少しの力でも動くことがあります。
歯並びが悪くなる
うつぶせ寝の姿勢は下側になる顔面や口に大きな力がかかり続ける姿勢です。
うつぶせをすると顔のどこかを手で支えることになるのでその部分が頭の重さと手に挟まれる状態になり、顎や顔の歪みの他に鼻で息がしにくくなるので口呼吸にもつながります。
歯の生え変わる時期は顎の成長期でもあり何時間もこの姿勢のままでいることで大事な成長期に様々な悪影響を与えることがあります。
うつぶせ寝で一番大きな影響があるのが歯並びです。歯は少しの力でも長時間かかり続けると動いてしまいます。
うつぶせ寝で顔を下にして寝ると
・前歯が押される
前歯が奥に傾いたり移動しやすくなります。
・鼻呼吸ができないので口呼吸になる
口呼吸は出っ歯(上顎前突)になりやすくなります。
・片側に顔を向けて寝る
顎の骨や歯列自体が変形します。
このようにうつぶせ寝の姿勢のままだと毎晩、長時間、頭部の顔面側に力がかかり続け、気が付いたら歯並びがガタガタになっていたということがあるのでうつぶせ寝の癖がある方は要注意です。
顎関節症になる
「顎関節症」は顎関節に痛みや動きにくくなるなどの症状があります。スマホを見るときやデスクワークなどで長時間同じ姿勢でいる場合やストレスが原因と言われていますがうつぶせ寝も原因の1つです。
下顎は耳の付近にある顎関節を中心に前・後ろ・上下左右に自由に動くことができ負荷を受け止めるのも顎関節です。
うつぶせ寝の姿勢は前後、左右に頭の重さで顎が押されることで顎関節にも大きな力がかかり顎を圧迫し続けることになります。
この状態が続くと、
- 顎が横にズレて物が噛みにくくなる
- 顎関節に痛みが出る
- かみ合わせが悪くなる
- 口が開け辛くなる
- 口を開け閉めするときに「パキ」「ミシ」「ゴリ」などの音が鳴る
- 口を開けるときにカクッと引っかかる
などの症状がでてきます。
これらは「顎関節症」につながる可能性があります。このほか、顎関節症になりやすい姿勢には横向き寝や頬杖があり、特に成長期の場合には、いずれも顎や顔に力がかかり続けることで歯列の変形や噛み合わせの悪化に繋がる可能性があります。
うつぶせ寝を止めて「仰向け寝」になるコツ
正しい寝姿勢は「仰向け寝」と言われていて、理想的な寝姿勢で眠ると効率よく疲れが取れたり姿勢の歪みを抑えることができます。
子供の睡眠時間は9時間~10時間が理想とされ、睡眠は1日の出来事を整理したり経験したことや考えたことを脳に定着させる大切な時間となります。質のいい睡眠をとることは子供の脳の発達に大きな影響を与えることになります。
また睡眠中の深い眠りに入った時に成長ホルモンが多く分泌されるため深い眠りに入れる環境が重要になります。
子供のうつぶせ寝を仰向け寝に変えるにはどうすればいいのでしょう。
・マットレスの硬さ
寝返りが打ちやすい、硬すぎず柔らかすぎないものを選ぶ。
・枕の使用を検討する
枕を使用すると仰向け寝がしやすいので、8~9歳、身長130センチ前後を目安に頭の高さに合った低い枕から使うことを検討する。
・家庭用プラネタリウム
天井や壁に星空を投影できる家庭用のプラネタリウムを流し仰向けで眺めながら眠れる。
・読み聞かせ
仰向けで絵本を眺めることでそのまま眠りに入ることができる。
・ゆっくり仰向けに変える
横向きで寝ている場合、深い眠りに入ったところでゆっくり仰向けに変える。
このように寝具の選択や眠る前の習慣によって仰向け寝の維持がしやすくなります。
お子さんのかみ合わせ・歯並びが気になったら
寝姿勢や起きている時の悪い癖などは、成長期の子供の歯並びや顎の形に大きな影響を与えます。特に寝姿勢は長時間同じ姿勢になる場合は多く、親御さんが気にされていても理想の寝姿勢を保つことは難しいと言えます。
矯正治療で歯並びを整えても、寝姿勢や悪い癖が治っていなければ元の状態に戻ってしまうことがあります。
仰向け寝を習慣にできるといいのですが、それでも横向き寝やうつぶせ寝をしていることが多い時は、子供の口の中を定期的にチェックすることが大切です。
- 顔貌に歪みがないか
- 歯並びがガタガタしていないか
- かみ合わせがズレていないか
など、すでに気なることがあれば小さなことでも一度当院へご相談ください。
早めに診断ができると成長と合わせて改善できる治療もあり、お子さまに無理なく治療を進めることができます。
歯並びやかみ合わせはもちろん顎関節の動きなど気になることがある場合はお気軽に当院へご相談ください。
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