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歯列矯正の基礎知識コラム

笑うと歯茎が見えすぎてしまう「ガミースマイル」。唇が前方に突き出していたり、鼻の下が長めで前に飛び出しているといった全体的に口元に突出感があるような状態の「口ゴボ」。ガミースマイルや口ゴボを治すのにはどのような方法があるのでしょうか?今回は、これらの治療方法として用いられる「アンカースクリュー矯正」についてお伝えしていこうと思います。


【目次】
アンカスクリュー矯正治療とは?
 ・アンカースクリューのメリットとデメリット
なぜガミースマイルや口ゴボに有効なのか
アンカースクリューは痛いのか?
当院はアンカースクリューを使用しない矯正を得意としています


アンカスクリュー矯正治療とは?

矯正用アンカースクリューとは、直径1~2mm、長さ6~10mm程度の金属製の小さなネジです。

アンカースクリュー矯正治療とは、この小さなスクリュー(ネジ)を歯ぐきの骨の部分に埋入し、歯を動かす時の固定源として用いる方法です。

スクリュー(ネジ)は人体との親和性が高い「チタン」を使用しているので、身体に埋め込んでもアレルギー等を発症するリスクが極めて低くなっています。

施術の内容ですが、通常のワイヤー矯正では奥歯を支点として前歯などを移動させます。しかし奥歯はあくまで「固定源」となっているのですが、前歯に引っ張られることで少なからず奥歯までも移動を起こしてしまいます。

一方、歯列外の骨に直接埋め込んだアンカースクリューは、スクリュー(ネジ)が盤石な固定源となることから、奥歯の移動なく歯を移動させることができます。

また、アンカースクリューを利用することで、臼歯の後方への移動や圧下など、今までのワイヤー矯正では難しいとされていた歯の移動も可能になりました。

アンカースクリューのメリットとデメリット

【アンカースクリューのメリット】​
メリット①前歯の移動量を増やすことができる

口ゴボを治すために前歯を後方に下げたいとき、通常は奥歯で前歯を引っ張るのですが、その場合は少なからず奥歯も前方に移動してしまい、全体的な後方への移動量は少なくなってしまいます。

しかし、奥歯付近のスクリューから前歯を引っ張ることができると奥歯は移動しないため、前歯の後方への移動量を大幅に増やすことができ、口ゴボの改善につながります。

メリット②通常のワイヤー矯正だけでは難しい方向への移動ができる

上の歯を歯茎方向に引き上げる「圧下」という動かし方でガミースマイルを治していくことも可能です。圧下させることは以前の矯正技術では難しいとされていました。しかし、アンカースクリューを用いれば、そのような歯の難しい移動も行うことができます。

つまり、ネジを埋め込む位置により歯に対して上下左右とさまざま方向から力をかけることが可能になり、さまざまな方向に歯を移動させることができるようになりました。

メリット③治療期間の短縮

アンカースクリューを用いることで、通常のワイヤー矯正よりも治療期間を短縮させることができます。
奥歯を固定源とするのとは違い、移動することがない盤石な固定源を活用することで、強い移動力を発揮できます。

【アンカースクリューのデメリット】

デメリット①アンカースクリューが動揺したり脱落することがある

歯根インプラントとは異なり、いずれは除去しなければいけないために骨との結合はしません。そのため稀に脱落してしまうことがあります。その際は場所を少しずらしてアンカースクリューを再埋入させていただきます。

デメリット②炎症に伴う腫れや痛み

ヘッドの部分が露出しているので、設置初期の段階で腫れてしまうことがあります。しかし、時間が経てば落ち着いてくることが殆どです。

デメリット③歯根を傷付けてしまうことがある

歯根と歯根の間にスクリューを埋入するので、術者が慣れていないと歯根を傷つけてしまうことがあります。

なぜガミースマイルや口ゴボに有効なのか

以前は、ガミースマイルや口ゴボを改善するには「セットバック(上顎前方歯槽骨部骨切術)」と言われる美容外科による外科処置が必要でした。

しかし、アンカースクリューの登場によって、今まで以上に歯の移動量を増やすことができるようになり、軽度のガミースマイルや口ゴボであれば外科処置なしで主訴を改善することが可能になりました。

【アンカースクリューの主な治療方法】

歯列を後方に下げる

口ゴボのような口元が前に出ている状態でも、歯列を整えながらアンカースクリューを活用して歯を順次後方に下げていくことで口元の突出感も改善されていきます。

また、口元の突出感がなくなることで、口が閉じやすくなり、笑った際に唇が上方に押し上げられる量も減り、最終的にはガミースマイルも改善されていきます。

歯の位置を引き上げる(圧下)

上顎の歯の位置が低く歯茎が目立っている場合には、上の歯を歯茎方向に引き上げる「圧下」という動かし方で見た目を改善していく施術方法もあります。

「圧下」は歯の動かし方の中でも難しい部類に入ります。しかし、アンカースクリューの登場により効果的に圧下を行えるようになりました。

アンカースクリューは痛いのか?

「アンカースクリューの埋入は痛いのか?」という質問を時々受けますが、結論としては痛みを感じることは殆どありません。施術中は局所麻酔をするので、痛みはありません。

ごく稀に麻酔が切れたあとに痛みを感じる時がありますが、その際には痛み止めを処方しますのでお声掛けください。

また、アンカースクリューを外す際も局所麻酔をしますので、痛みは殆どありません。

当院はアンカースクリューを使用しない矯正を得意としています

アンカースクリューの登場によって、今までは外科処置なしでは改善が難しいと言われていたガミースマイルや口ゴボが矯正治療で改善されるようになってきました。

ただし、それでもアンカースクリュー矯正へのハードルを感じている方もいらっしゃると思います。

エムアンドアソシエイツ矯正歯科は、マウスピース矯正「インビザライン」による矯正治療を専門に行っております。骨格的に大きなズレがあるような場合を除きワイヤーを使用せず治療を行っております。リカバリー症例(再治療)など一部を除き、アンカースクリューを併用する症例もほとんどございません。

もし、あなたがアンカースクリュー矯正について不安を感じているようでしたら、アンカースクリューを使用せずに、マウスピース矯正でガミースマイルや口ゴボを改善してきました当院にお越しください。

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