COLUMN

歯列矯正の基礎知識コラム

【監修医:矯正歯科学会 認定医&指導医 増岡 尚哉】


「インビザラインは痛い?」

インビザライン治療を検討する中で、このような不安を感じる方がいるのではないでしょうか。痛みが苦手で、なかなか治療に踏み出せないこともあるかもしれません。

本記事では、インビザラインで痛みが起こる原因と対処法を解説します。治療中に痛みを感じるケースを知り、適切な処置のもと矯正を進めましょう。

【目次】
1、インビザラインって痛いの?
2、インビザライン治療で痛みを感じるのはどんなとき?
3、痛みが強い時は自己判断せずに医師に相談を
4、インビザラインの痛みについてお悩みの方や、ご心配な方もご相談ください

インビザラインって痛いの?

インビザラインとは、矯正歯科治療のひとつで、透明なマウスピースを使用した治療法になります。

従来のワイヤー矯正に比べ、治療具が目立ちにくいため、人前で口元を気にせず治療ができる、金属アレルギーの人でも治療ができるなどといったメリットがあります。その一方、適用できないケースがあったり、管理が手間などといったデメリットもあります。

歯列矯正で気にかかる「痛み」という点においては、どうでしょうか?

インビザラインの場合、一気に歯を動かすわけではなく、段階ごとにマウスピースを交換して少しずつ動かして矯正するため、痛みが分散され、歯や歯茎の負担を抑えながら矯正を進められます。そのためワイヤーを使って強い力で歯を動かすワイヤー矯正に比べて、インビザライン矯正は「痛みが少ない」「痛くない」という声がよく聞かれます。

痛みが不安で歯列矯正ができない方は、インビザライン矯正を検討してみることをおすすめします。

インビザライン治療で痛みを感じるのはどんなとき?


少しずつとはいえ、歯列を動かしていく矯正治療ですから、痛みを感じるときもあります。

歯が動いているため歯列も敏感になっていて、かみ合わせで痛みが出ることもあります。

インビザライン治療で痛みを感じるケースとしては、主に以下のようなケースが挙げられます。

  • 最初の1枚目のマウスピースを装着するとき
  • 2枚目以降の新しいマウスピースへ交換するとき
  • 取り外すときや、外した後
  • インビザライン装着開始前に抜歯が必要な場合

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最初の1枚目のマウスピースを装着するとき

初めてマウスピースを装着したときは、歯や歯茎、顎への刺激に慣れていないので、痛みが出やすいとされています。歯が動くときはどうしても痛みは出ます。初日から痛みが強いと「やめたい」と思う方もいるかもしませんが、こうした痛みは矯正が進んでいる証拠とも言えますし、時間の経過とともに痛みは軽減されます。

またマウスピースを初めて装着する際は、チューイーと呼ばれる補助道具を噛むことをおすすめします。

チューイーを使用すると、マウスピースのふちが前歯や奥歯にしっかりフィットし、効果的に治療が進めやすくなるのです。舌もとくに邪魔になることなく使用できるでしょう。

2枚目以降の新しいマウスピースへ交換するとき

2枚目以降の新しいマウスピースは、理想の歯並びにするために調整して作っているため、装着時の歯と形が一致していません。

そのため、マウスピースを交換するときに違和感や圧迫感が生じ、場合によっては痛みを感じるケースもあるでしょう。

取り外すときや、外した後

インビザライン矯正では、歯をしっかり動かすためにアタッチメントと呼ばれる突起物を歯の表面に取り付けます。

マウスピースの着脱時に、アタッチメントが頬の内側に引っかかり、痛みを感じる場合もあります。丁寧に取り外しましょう。

インビザライン装着開始前に抜歯が必要な場合

インビザライン矯正では、患者さんの歯の状態によって抜歯をおこなう必要があります。抜歯後は、抜歯した部分がうずくような痛みを感じる場合があるでしょう。

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痛みが強い時は自己判断せずに医師に相談を


治療が順調に進み、歯が動いているときやマウスピースが合わなくなって痛いときに、間違った対処法をしないことが大切です。とくに、個人ブログやネット上の知恵袋などで出回っているインビザラインの情報を鵜呑みにするのは危険です。

勝手に辞めてしまう

自己判断でひとつ前のマウスピースを装着したり、一時的に装着をやめてしまったりすると、計画通りに歯が動かない場合があるでしょう。

治療が予定通りに進まない場合、医師の判断によって装着時間の延長やマウスピースの作り直し、アタッチメントの調整などをしていく必要があります。

場合によっては、ひとつ前のマウスピースに戻さなければならなくなることもあります。マウスピースは無くさないようきちんと保管しておきましょう。

痛みを我慢しすぎてしまう

痛みが出たら、少し様子を見て、慣れるまでの痛みなのか、徐々に痛くなっている、悪化している痛みなのかを判断して、自身で勝手に辞めてしまう前に、歯科医で相談しましょう。

特に、長期間痛みが続く、我慢できないほどの強い痛みがある場合は、遠慮なく歯科医院を受診しましょう。

インビザラインの痛みについてお悩みの方や、ご心配な方もご相談ください

インビザラインは、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないと言われています。マウスピースによって歯を移動する際に負荷がかかるため、圧迫感や痛みを感じる場合もありますが、慣れていくと気にならなくなるでしょう。

歯列矯正について悩んでいる方は、当院にお気軽にご相談ください。

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インビザライン矯正とは?

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【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。