【監修:歯科医師 / 矯正指導医 増岡尚哉】


「矯正したいけれど、費用が気になる…」という方も多いのではないでしょうか。
確かに矯正治療は決して安いものではありませんが、費用をしっかり理解して計画を立てることで、無理なく始めることができます。
この記事では、矯正費用の相場や内訳をわかりやすく紹介したうえで、費用を抑える8つのポイントを矯正医の視点から解説します。

【目次】
1.矯正費用の相場と内訳
2.矯正治療の費用を安くする8つの方法
 2-1 ①装置の種類を安価なものにする
 2-2 ②部分矯正で治せるか検討する
 2-3 ③保険が適応されるか確認する
 2-4 ④矯正の歯科医院が多いエリアで医院を探す
 2-5 ⑤分割払いで月々の出費を抑える
 2-6 ⑥トータルフィー(治療費総額制)や分割払いなど、適切な支払い方法を選ぶ
 2-7 ⑦医療費控除の申請をする
 2-8 ⑧装着時間を守り、治療期間を長引かせないようにする
3.費用を比較するときに見るべきポイントチェックリスト
 3-1 安さだけで選ばないために
4.費用を抑えるには「比較+信頼」がカギ
5.よくある質問(Q&A)

矯正費用の相場と内訳

まずは、一般的な矯正費用の目安を知っておきましょう。
下記は全国的な平均相場です。


治療内容 費用の目安(税込) 備考
全体矯正(ワイヤー矯正) 約80〜120万円 調整料・保定料込みのケースもあり
マウスピース矯正(インビザライン等) 約90〜130万円 軽度〜中度の症例が中心
部分矯正(前歯のみ) 約20〜50万円 前歯の歯並び改善が目的
精密検査・診断料 約3〜5万円 CT・セファロ撮影など含む
調整料 1回5,000〜10,000円 通院ごとに発生する場合あり
保定装置(リテーナー) 約2〜5万円 矯正後の安定維持に必要

表示料金に「調整料」「保定料」が含まれているかどうかは医院によって異なります。 「総額でいくらかかるのか」を事前に確認しましょう。

関連記事:当社のインビザライン矯正費用の詳細についてはこちらを参照。

矯正治療の費用を安くする8つの方法


高い矯正治療を少しでも安くしたいですよね?
方法としては、以下の8つの方法があります。

1.    装置の種類を安価なものにする
2.    部分矯正で治せるか検討する
3.    保険が適応されるか確認する
4.    矯正医院の多いエリアで医院を探す
5.    分割払いで月々の出費を抑える
6.    トータル又はその都度、適切な支払い方法を選ぶ
7.    医療費控除の申請をする
8.    用法や保定を守り、治療期間を長引かせないようにする

次の章で詳しく解説していきます。

①装置の種類を安価なものにする

矯正治療で使用する装置には様々な種類があります。例えば、歯の表面に金属の装置を付ける「ブラケットタイプ」の矯正治療では、患者様の希望に応じてワイヤーの色や付ける位置(歯の表側・裏側など)を選択することが可能です。

一般に、審美性を重視して目立たない装置を選択するほど、費用が高額になります。

マウスピース矯正については、様々なメーカーが商品を展開しています。以前は高額とされたマウスピース矯正も、現在ではブラケット装置と変わらない費用で治療を行っている医院が多くなっています。当院はマウスピース矯正を専門に取り扱っておりますが、使用する装置は安価な製品ではなく、品質への信頼度の高い「インビザライン」や「クリアコレクト」を、患者様の口腔内に合わせて選択しています。

全体矯正を行った場合の治療費が低い順に並べると、

①ワイヤー矯正
②マウスピース矯正
③舌側矯正(歯の裏側に装置を付けるため、見た目には矯正していることが分からない)


このような違いがあります。


関連記事:
マウスピース矯正の種類と特徴(ドクターブログ)

患者様ご本人の中で「装置の見た目」の優先度がそこまで高くなければ、金属のワイヤー矯正を選び、費用を抑えることも一つの方法です。

②部分矯正で治せるか検討する

部分矯正とは、気になる部分のみ矯正治療をする方法です。治療する範囲が限られるので、治療費が抑えられる可能性があります。

ブラケットタイプの矯正だけでなく、マウスピース矯正ももちろん部分矯正に対応可能です。例えばインビザラインなら、部分矯正対応の製品ラインナップがあり、全体矯正に比べ半分以下の治療費で治療を行うことが可能です。

関連記事:
部分矯正(インビザラインライト・インビザラインGo)

ただし、ご注意いただきたいのは「部分矯正が適しているケースはあまり多くない」という点です。ご自身で「前歯だけが気になる」と感じていらっしゃるケースでも、きちんと検査を行うと奥歯や他の歯並びにも問題がある可能性が高いのです。

こうしたことを考慮せず、気になる部分だけを動かすと、全体のバランスが崩れ、歯の寿命を縮めたり・噛み合わせが悪くなったり・歯並びが元に戻ってしまったり・・・後々にトラブルになる可能性があります。

部分矯正で治療ができる可能性が高いケースは、
・奥歯の噛み合わせに問題がない場合
・歯の重なり、でこぼこが軽度の場合
このようなケースであり、該当すれば治療期間は半年~1年程度で治療することができます。

実際に部分矯正でトラブルなく治療できるのは上記に該当する患者様や、元々歯ぐきに隙間があって歯が動かしやすい方、以前全体矯正をされていた方で歯並びが戻ってしまった方の再治療などが中心です。

もちろん私たちは、検査や診断をしっかり行ったうえで、部分矯正で治療が可能な患者様には部分矯正をお勧めしています。「部分矯正でできるか診てほしい」という方も多くいらっしゃいますので、遠慮なくご相談いただければと思います。

③保険が適応されるか確認する

よく「保険で矯正を受けられませんか?」というご相談をいただくことがあります。

矯正治療を保険適応で受けるためには、国の定めるルールに基づいて、

①保険の対象となる疾患に該当するか?
②保険で認められている治療器具を使用しているか?


といった条件をクリアする必要があります。

①ですが、保険が適応される代表的なものに「顎変形症」があります。顎変形症の矯正治療は、顎の外科手術(~2週間程度の入院)が必要な症例です。ご自身のお口の状況がこうした保険適応のケースに該当するかどうかは、以下の記事を参考にご確認ください。

関連記事:
歯の矯正も保険がきく?保険適用される症例と適用後の負担額(矯正コラム)

また、②の使用する器具についてですが、マウスピース型の矯正装置は保険で認められておりません。「顎変形症」と診断された方をマウスピース矯正で治療すること自体は可能ですが、その場合は全て自由診療にて対応することとなります。

④矯正の歯科医院が多いエリアで医院を探す

矯正歯科医院の多いエリアは、価格競争で安くしているところもありますので、そういった場所で歯科医院を探してみてもよいでしょう。
ただし、治療費には歯科医師の経験値・技術料も反映されています。一概に安ければ良いとは言い切れませんので、基本的には信頼できる医院を選ばれるのが一番優先していただきたいポイントです。

⑤分割払いで月々の出費を抑える


様々な支払い方法を目的に応じて使い分けるというのも一つの方法です。クリニックによって取り扱いは様々ですが、以下のような支払い方法があります。

〇クリニックオリジナルの分割システム
ローンを組まず、医院の窓口で直接分割払いができるところもあります。金利や手数料がかからない代わりに、支払回数の指定がある場合が一般的です。ホームページに記載されていないこともありますので、一度受付スタッフに「院内分割払い」が可能か確認されると良いでしょう。

〇デンタルローン
分割払いを希望される方の場合、デンタルローンという選択肢もあります。デンタルローンはクレジットカードに比べて金利が低い・最大分割回数が多いといった特徴があります。クリニックが提携しているローン会社を使用する方法で、事前の支払いシミュレーションも可能です。

〇クレジットカード払い
お使いのクレジットカードを使用する方法です。設定されている支払い限度額によって使用できないことがありますので、事前にご確認いただく必要があります。

〇一括支払いで総額を抑える
ローンやクレジットカード払いなどでは金利が発生するため、実際の治療費よりも支払総額は大きくなります。一括で支払うことで、治療費の総額を抑えるという選択肢もあります。


エムアンドアソシエイツグループでは、「頭金0プラン」「月々1万円以下」などのお支払い方法をご用意しています。くわしくは以下のページをご覧ください。

関連記事:
当院の治療費用とお支払い方法について

⑥トータルフィー(治療費総額制)や分割払いなど、適切な支払い方法を選ぶ

医院によっては、以下の支払い方法が選択できます。

①トータルフィー制
治療が終わるまでトータルで治療費を換算し、総額を支払う。治療が延びた場合も追加料金の支払いが不要。
➁処置料別払い制
トータルフィーと違い、その都度、処置するごとに支払う。分割払いの感覚で支払うことができる。治療が延びた場合は、治療費が増大するリスクあり。

自身の経済状況に応じて、適切な支払い方法を選ぶことで、負担を軽減することができます。

⑦医療費控除の申請をする

矯正治療の治療費を軽減する上で、医療費控除があります。

医療費控除は、1月1日~12月31日までの治療費が一定額を越えた場合に、所定の手続きを行うことで税金が安くなるという制度です。

ご自身の医療費控除額を計算するためには、

・課税所得額
・1年間の医療費の合計
・保険金など

これらをご用意いただく必要があります。そして、そこに所得税率をかけたものが実際に返ってくる金額となります。
詳しくはこちらの記事でもご紹介しています。

関連記事:医療費控除の対象と計算方法(コラム)

⑧装着時間を守り、治療期間を長引かせないようにする

装着時間を守らなかったり、定期的なチェックを受けずにいると、目標の歯並びに到達できず、治療計画が途中で変更になる可能性もあります。
その場合、再アライナーといってマウスピースを再設計・発注することになるため、矯正期間がどんどん長引いていってしまったり、作り直しの回数などによっては追加の費用が発生することもあります。
矯正期間も治療費も増やさないための近道は、担当医の指示のもと、装着時間を守り、定期チェックをうけることです。特に当院では、治療期間ができるだけ短く済むように治療計画を立て、マウスピースを作成しています。
そのため、患者様がしっかりと装着時間を守って下さることが治療を早く進めるためのカギとなります。
定期チェックは2~3ヶ月に一度のペースですので、例えば2年で矯正治療が終わ方の場合、12回前後通えば治療が終わる計算です。

矯正専門医のコメント(増岡尚哉)
「“安さ”だけに注目せず、結果的に再治療の必要がない“長持ちする治療”を選ぶことが、最も賢い節約になります。」

費用を比較するときに見るべきポイントチェックリスト

  • 検査・診断料は初期費用に含まれている?
  • 調整料・保定料は都度支払い?総額制?
  • リテーナー(保定装置)再製作の費用は?
  • 医療費控除の説明を受けた?
  • トータル費用の上限が明確?

「初回費用」だけでなく、「総額」で比較することが大切です。

安さだけで選ばないために


費用を抑えたい気持ちは大切ですが、「安さ」だけで決めてしまうと後悔するケースもあります。

・診断が簡略化される
・装置の精度が十分でない
・治療後のフォローが手薄になる


などのリスクもあるため、費用・技術・サポートのバランスを重視して選びましょう。

費用を抑えるには「比較+信頼」がカギ

矯正治療は、短期間で終わるものではなく“長期的な健康投資”です。 費用を抑えるには、まず自分に合った治療法を知ることが第一歩。
当院では、矯正の種類ごとの費用を明確にご提示し、ライフスタイルやご希望に合わせた最適なプランをご提案しています。
「どのくらい費用がかかる?」「分割払いはできる?」といったご相談もお気軽に。

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よくある質問(Q&A)

Q1. 部分矯正と全体矯正では、どのくらい費用が違いますか?
A. 部分矯正は20〜50万円、全体矯正は80〜130万円程度です。治療範囲が狭いほど費用を抑えられます。

Q2. 医療費控除の対象になりますか?
A. 咬み合わせの改善を目的とした矯正治療は医療費控除の対象になります。審美目的の場合は対象外です。

Q3. 分割払いは可能ですか?
A. 当院ではデンタルローンや院内分割払いが可能です。初期費用を抑えながら治療を始められます。

Q. 安すぎる矯正治療に注意点はありますか?
A. 装置の精度や治療計画の質が不十分な場合があります。信頼できる矯正専門医を選ぶことが重要です。


監修者:増岡尚哉

歯科医師・歯学博士(D.D.S. , Ph.D.)|マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)の講師として歯科医師向けに講義・講演活動をしています。

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【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

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