COLUMN

歯列矯正の基礎知識コラム

【監修:歯科医師・増岡尚哉】


明らかに左右非対称の”顔の歪み”は、歯並びが原因で起きている可能性もあります。

ですから、歯列矯正をすることで顔の歪みを改善できる場合も。歪みの原因と歯列不正が引き起こすリスク、歯列矯正について解説します。

【目次】
1、顔の歪みの原因とは
  ・悪い歯並びも顔の歪みを引き起こす
2、顔の歪みばかりじゃない!悪い歯並びによるリスク
  ・顔の歪みは歯列矯正で改善可能なのか?
  ・普段の癖を改善することも顔の歪み改善に効果的です
3、歯列矯正するメリット
  ・顔の歪み・歯列矯正についてのご相談は当院へ

顔の歪みの原因とは

<歯並び>
●歯並びが悪いことで片噛み(片側でばかり噛む)になってしまい、使う筋肉に偏りが出て顔の歪みを引き起こしてしまいます。

●かみ合わせが合っていないと、下顎を横にずらさないと噛めないため、長期間ずらして噛んでしまっていると顔の歪みにつながってしまう。

<生活習慣>
●頬杖:片の片側に力をかけ続けてしまうため、歯列不正だけでなく、顔の歪みにも直結します。

●うつ伏せ・横向きで寝る:上記同様、片側に力がかかってしまう。

●足を組む・猫背等の悪い姿勢:体の歪みは顔の筋肉のバランスを崩してしまうこともあるため、顔の歪みにもつながってしまいます。

 <骨格の問題>
左右の骨の長さや大きさが違うことにより、顔が歪んでしまうことがあります。遺伝的要素が強いといわれています。

悪い歯並びも顔の歪みを引き起こす

歯並びが悪いと、顎に負担がかかる噛み方をしてしまいます。結果、顎・顔の筋肉がこり固まり、顔が歪む原因になります。左右で目の大きさが違う、鼻が曲がっているなど、顔が左右非対称の場合、歯並びが原因の可能性があります。

前述したように、歯並びが悪いことで片噛み(片側でばかり噛む)になってしまい、使う筋肉に偏りが出てしまうことも顔の歪みにつながります。

噛む力が不均一になってしまうような噛み合わせも顔の歪みを引き起こします。

顔の歪みばかりじゃない!悪い歯並びによるリスク

●顎関節症を引き起こす:噛み合わせの悪さは顎に負担がかかり”顎関節症”の原因になる。

●頭痛・肩こりの原因になる:噛み合わせが悪化すると血流が滞り、頭痛や肩こりの原因になることもある。

●口呼吸になる:噛み合わせや歯並びが悪いと口が閉じにくくなり、口呼吸になりやすい。口呼吸になってしまうと、唾液の自浄作用が働かず、虫歯や歯周病のリスクを高めます。

●ほうれい線:噛み合わせが悪いと片噛みになりやすく、片側だけを酷使することになります。使いすぎてしまった側は、ほうれい線が強く出てしまう。

顔の歪みは歯列矯正で改善可能なのか?

歯列矯正では、審美性の改善だけでなく、”正中を合わせることができる”、”噛み合わせを改善することで正しい位置で物を噛むことができる”ことによって、筋肉への負担を減らし、顔の歪みを改善することが出来ます。

<マウスピース矯正>
一人ひとりに合わせたマウスピースで歯を動かす治療方法。(マウスピースは1週間〜10日ごとに交換、1日20時間以上つける必要があります。)

<ワイヤー矯正>
ブラケットと呼ばれる器具を歯に接着させ、ブラケットにワイヤーをつけ歯を移動させる矯正治療のこと。一度接着させると簡単に外すことは出来ません。

骨格に大きな問題がある場合は、歯列矯正のみだけでなく、外科手術で骨格を整える必要があります。

普段の癖を改善することも顔の歪み改善に効果的です

<態癖を治す>
うつぶせ寝をやめ、仰向けで寝るようにし、頬杖も気づいた時点ですぐやめましょう。

<舌癖を治す>
舌の正しい位置は、”スポット”(上顎中央前歯の裏側付け根辺り)と呼ばれる場所です。舌がスポットから離れてしまうと、上下の歯と歯の間に舌を挟んでしまったり、舌で前歯を押してしまい、歯列不正を引き起こし、顔の歪みにもつながってしまうため、舌はスポットに置くように心掛けましょう。

<左右バランスよく噛む>
顔の歪みの原因の一つにあげられるのが、噛む力の不均一です。同じ側ばかりで噛むと、顔貌(がんぼう:「顔つき」のこと)に変化が出るだけではなく、歯への負担も大きくなるので左右バランスよく噛むように意識しましょう。

歯ぎしり・食いしばりの改善のためには、ストレス発散をする・メモを見えるところに貼りましょう。爪をかむ・唇をかむ癖の防止のために、睡眠をしっかり取り、ストレスケアをしましょう。

歯列矯正するメリット

歯列矯正で得られるメリットは、顔の歪みを改善することはもちろん、全身へのメリットも多くあげることができます。

◆噛み合わせの改善:噛み合わせが悪いと以下の5つの問題点が出てきます。

①発音障害を引き起こす:不正咬合の種類によって”サ・タ行”の発音が不明瞭になる。

②顎関節症を引き起こす:噛み合わせの悪さは顎に負担がかかり”顎関節症”の原因になる。

③頭痛・肩こりの原因になる:噛み合わせが悪化すると血流が滞り、頭痛や肩こりの原因になることもある。

④胃腸へ負担がかかる:食物を十分に咀嚼出来ず、唾液の分泌も減ってしまうため、胃腸へ負担がかかってしまう。

噛み合わせを改善することで、口腔内のバランスを整え、体のバランスも整うので、②③の改善に繋がります。

きちんと歯が噛み合うことになれば、発音障害も改善されます。咀嚼も問題なく行えるようになるため、胃腸への負担も軽減されます。

◆歯並びの改善

歯並びを改善することで、歯ブラシが行き届きやすくなり、歯磨きの効率を上げ、プラークの付着率を下げます。

口をきちんと閉じることができるようになれば、唾液の分泌も促すことができるため、虫歯口臭予防にもつながります。

①顔が歪む:噛み合わせがズレると、片噛みになり表情筋のバランスが崩れてしまう。
②精神面への影響・ストレスの原因になる:口元に自信が持てず上手く笑えなくなる。

①②の改善にもつながるといえます。

また、正しい歯並びになることで、舌が正しい場所(“スポット”と呼ばれる場所:上顎中央前歯の裏側付け根辺り)に位置することが可能になったり、舌で歯を押すなどの歯並びに影響を及ぼす悪習癖の改善につながることもあります。

顔の歪み・歯列矯正についてのご相談は当院へ

当院ではすべての方へ「初診カウンセリング」を行なっております。当院の矯正医が60分しっかり時間をかけてあなたのご相談にお答えいたします。

当院の矯正医が実際の歯並び、噛み合わせのご様子を拝見した上で、あなたのご質問にお答えさせていただきます。

またオンライン診療やメール相談など様々なご相談方法もご用意しております。ご希望にあわせてご選択ください。

それではあなたからのご相談をお待ちしております。

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【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。