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歯列矯正の基礎知識コラム

「ガミースマイル」とは、笑ったときに上顎の歯茎部分が大きく目立つ口元のこと。子供の頃はかわいいといわれたガミースマイルも、大人になると「気になって思い切り笑えなくなった」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
治らないと思われがちですが、実は歯科矯正で改善できるケースもあります。ガミースマイルの原因と矯正方法をご紹介します。

【目次】
1、ガミースマイルの原因
2、ガミースマイルを矯正する方法
 ・インプラント矯正
 ・インビザライン 矯正

ガミースマイルの原因

ガミースマイルは、芸能人の中にも多く見られ、逆に個性的なチャームポイントにしているケースもあります。必ずしも治す必要はありませんが、噛み合わせなどに問題ある場合や笑顔に自信が持てず悩んでいる場合には治療を考えた方がいいでしょう。
ガミースマイルの原因には、大きく分けて以下の3つがあります。

原因その1 骨格や歯並び

【上顎の骨格】
日本人に限らずアジア人は口周りの骨が前に出ており、骨に合わせて歯茎が伸びる傾向があります。上顎の骨の出っ張り、または骨そのものが縦に長いなどが原因で上唇より歯茎が長くなり、口元から歯茎がはみ出してしまいます。または長いアーチの歯茎部分が上唇を押し上げて、歯茎が表に出てしまうのです。

【歯並び】
上の前歯が歯茎の下部から生えている場合、歯と歯茎の境目が低くなり、それだけ歯茎が長く見えます。そのため笑ったときに歯茎の上側が唇からはみ出して見えてしまうのです。

原因その2 唇の形状

上唇の幅が狭く、唇の形状が薄い、または上唇を持ち上げる筋肉が発達し過ぎていることが原因です。薄い上唇では歯茎を覆い隠せないため、表に出てしまいます。そして、筋肉が通常より発達していると上に持ち上げる上唇の力が強くなり、歯茎が必要以上に見えてしまうのです。

原因その3 歯茎

歯茎が発達し過ぎて歯にかぶさっていることが原因です。この場合は歯が通常の位置に生えていても、歯茎が上から覆ってしまうため、歯茎が大きく見えてしまいます。ただし、歯茎だけが原因になることは少なく、やはり骨格など他の原因が影響しているケースが多いです。

ガミースマイルを矯正する方法

ガミースマイルの治療には、その原因によって、ボトックス治療のようなすぐにできる対処療法から、上顎や歯並びを矯正する本格的なものまであります。対処療法は短時間で施術でき値段もリーズナブルですが、効果が続かない、または後戻りするなど根本的に解決しない可能性もあります。
一方、歯列矯正は治療期間が長く、値段も対処療法に比べて高額になりますが、歯並びから治療するため口元が一番キレイになり、効果も持続します。根本的な改善を考えるなら、やはり歯列矯正がおすすめです。

歯列矯正にはインプラント矯正やインビザライン矯正などがあります。それぞれの矯正治療の例と治療方法を見てみましょう。

インプラント矯正

歯を失ったときに埋め込む人工歯とは違い、治療する間だけ歯茎に「アンカースクリュー」と呼ばれる矯正用インプラントを設置する方法です。上顎に歯科用チタン製のネジを埋め込んで支点を作り、前歯だけを効果的に上下に移動させて矯正します。以前は外科手術でないと治らないとされていたものですが、この方法により矯正で治療できるようになりました。ただし、必要に応じて抜歯することがある点や、骨の成長が止まる16歳以上でないと治療できない点など、注意点もあります。

【こんな方におすすめ】
・ボトックス注入のような一時的な治療はしたくない
・大学病院歯科で外科手術まではしたくない
・身体に負担がかかる上顎の骨切り手術はしたくない

【施術方法】
1.局所麻酔を行います。
2.上顎の骨にアンカースクリューを設置します。時間は1本につき10~20分程度。
3.アンカースクリューを利用して前歯の矯正装置を上に引っ張り上げます。
4.月1回程度通院して矯正装置の調整をします。
5.歯茎が目立たなくなったら、アンカースクリューを除去します。

インビザライン矯正

無色透明なマウスピース型の矯正装置をかぶせて歯並びを矯正する方法です。凸凹した歯並びや前歯が出ていることが原因であれば、インビザライン矯正で目立たなくなる場合があります。ワイヤーで固定しないため矯正力は弱いのですが、矯正装置は目立たないというメリットがあります。ほかにも、自分で取り外しができるので食事や歯磨きのときにもストレスが少ないことや、定期的に交換するので衛生的なこともメリットといえるでしょう。インプラント矯正に比べて通院回数も少ないので、忙しい方におすすめです。

インビザライン の特徴について

また、大人だけでなく6~10歳の子供もインビザライン矯正は治療ができます。

小学生のインビザライン について

【こんな方におすすめ】
・前歯が出っ張っている
・歯並びが凸凹している
・だれにも気づかれず矯正したい

【施術方法】
1.初回カウンセリングを行います。
2.精密検査およびお口の中のスキャン(型どり)などを行います。
3.作製されたマウスピースを装着します。
4.2~3ヵ月に1回の通院ごとにマウスピースを取り替えます。
5.キレイになった歯並びを保つため、保定期間もしっかり通院していただくことをお勧めします。
6.定期検査で美しい歯並びをキープしましょう。

治療を受ける場合には、ガミースマイルの原因や治療方法、費用などを気軽に相談できる専門の矯正歯科医院を受診しましょう。当院は東京、大阪、名古屋、札幌、福岡にクリニックを持ち、ガミースマイルのご相談も多数いただいています。ぜひお気軽にお問い合わせください。





【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】

① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2 週間で慣れてきます。
② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
⑯ あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。