子どもの二重歯列(重なった歯並び)が気になる!その原因と効果的な治療方法を矯正医が解説
前歯部がデコボコに、歯が二重に重なっている”二重歯列”。清掃性の悪さからむし歯のリスクを高めるだけではなく、コンプレックスとなってしまったり、顎関節にも悪影響を及ぼします。原因・治療法について解説します。
【目次】
1、最近子どもに増えている二重歯列とは?
2、なぜ二重歯列になるの?
3、二重歯列を放置するリスク
4、二重歯列の代表的な治療方法
・①マウスピース矯正
・二重歯列はインビザラインでも治療可能
・②ワイヤー矯正
5、時には抜歯が必要なケースも
6、二重歯列は保険適用になる?
7、二重歯列は予防矯正で改善できる
最近子どもに増えている二重歯列とは?
二重歯列とは、主に前歯部がデコボコになっており歯が二重に並んでいる歯列のことを指します。
理想的な歯並びは舌の形に沿うように歯が並びます。そのアーチに歯が収まりきらないと二重歯列になることがあります。
口を閉じている時には分かりにくいですが、大きく口を開けた時、笑った時に目立つことが多いです。人から指摘されコンプレックスと感じる方もいます。
なぜ二重歯列になるの?
【顎が小さい】
歯が並ぶスペースがないために歯が重なってしまいます。
【乳歯が抜けずに残っている】
乳歯が残った状態で永久歯が萌出してしまい、正しい位置に生えてくることができずに二重の歯列になってしまう。
【乳歯が抜けたのが早かった】
大きな虫歯や外傷によって適年齢よりも早く乳歯が抜けてしまうと、隣の歯が倒れてしまい歯列が乱れてしまいます。その結果、永久歯が生えるスペースがなくなり二重の歯列になってしまうことがあります。
【爪かみ・指しゃぶりなどの悪習癖】
爪をかんだり、指しゃぶりをしていると、指が歯に余計な力をかけてしまいます。これにより歯並びのバランスが崩れ二重の歯列になってしまいます。
二重歯列を放置するリスク
【むし歯・歯周病のリスクが高まる】
二重歯列の状態だと歯と歯の重なっている部分のブラッシングがしにくくなります。食べカスが残り細菌が増殖しやすい口腔内になってしまいます。その結果、むし歯や歯周病に罹患するリスクを高めてしまいます。
【コンプレックスになってしまう】
デコボコの状態が大きく口を開けた時や笑った時に見えるのでコンプレックスに感じてしまったり、デコボコで奥に生えている歯が影のようになり”歯抜け”のように見えてしまうこともあります。
【顎関節症のリスクが高まる】
二重歯列は上下の歯のバランスが悪いことによってかみ合わせが悪くなる原因の一つといわれています。かみ合わせが悪いと顎に負担がかかり顎関節症を引き起こす可能性があります。
二重歯列の代表的な治療方法
二重歯列の治療方法は大きく2つ。一人ひとりに合わせて作製したマウスピースを用いて行うマウスピース矯正と、歯にブラケットを装着しワイヤーで歯を動かすワイヤー矯正です。2つの違いと特徴を解説します。
①マウスピース矯正
一人ひとりに合わせたマウスピースで歯を動かす治療方法。(マウスピースは1週間〜10日ごとに交換、1日20時間以上つける必要があります。)
部分 | 全体 | |
治療期間 | 3ヶ月〜1年 | 2〜3年 |
費用 | 10〜70万円(相場) | 70〜100万円(相場) |
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【メリット】
- 目立ちにくい
- 取り外しが可能なので食事・歯磨きがしやすい
- ワイヤー矯正に比べて痛みを感じにくい
- 金属アレルギーの心配がない
- 口内炎等の口腔内トラブルがワイヤー矯正より起きにくい
【デメリット】
- 取り外しが可能な分、矯正治療の効果はご自身の頑張り次第となってしまう
- 装着中は飲食ができない
二重歯列はインビザラインでも治療可能
インビザラインは様々な症例に対応できるようになっているため二重歯列も治療が可能です。
口腔内スキャナーによってスキャンしたデータを元に治療のスタートからゴールまで事前にシミュレーションを行います。シミュレーションを元に作成した計画に沿って治療が進んでいくため、無駄な微調整が不要です。
【治療方法】
- 口腔内全体の状態を検査(レントゲン、歯型、口腔内写真、顔写真等)。
- 専用の機器を用いてスキャニング。
- 矯正シミュレーション(パソコンで治療の仕上がりを確認)。
- 治療期間と治療計画の提案、決定(マウスピースが医院に届くまで1ヶ月程お時間を頂きます)。
- マウスピース矯正のスタート。
②ワイヤー矯正
ブラケットと呼ばれる器具を歯1つ1つに接着させ、ブラケットにワイヤーをつけ、歯を移動させる治療法のこと。一度接着させると簡単には外すことはできません。
部分矯正の場合は、ブラケットを治したい部分にだけつけます。
部分 | 全体 | |
治療期間 | 3ヶ月〜1年半 | 2〜3年 |
費用 | 30〜45万円(相場) | 70〜150万円(相場) |
【メリット】
- 歯列矯正の効果が得られやすい
- 歯列を細かく調整することが可能
【デメリット】
- 費用が高い
- 取り外しができないため、歯磨きがしにくく虫歯や歯茎の腫れを引き起こしやすい
- ワイヤー調整後は痛みが出やすい
- 痛みにより、食事や睡眠に支障をきたすことがある
時には抜歯が必要なケースも
- 顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪い場合
- 矯正治療をするにあたって、十分なスペースがない場合
- 非抜歯ではかみ合わせのバランスを整えられない場合
- 乳歯が残っている場合は乳歯の抜歯が必要
- 歯列からはみ出している歯がある
出っ歯の改善には、前に出ている歯を後ろに下げるためのスペースが必要です。上記に挙げる項目に当てはまる場合は抜歯を検討する必要があります。
抜歯をせずに治療を進めることで余計に出っ歯が酷くなってしまう場合もあります。
二重歯列は保険適用になる?
保険が適用される矯正治療には条件があります。
ワイヤー矯正治療であってもインビザラインによるマウスピース治療でも、日本では矯正治療は健康保険の適用外です。
しかし、顎骨の大きさ・位置・形が著しく異常で、かみ合わせ等に問題が生じる顎変形症と診断され、外科矯正治療として手術を行う場合や厚生労働省が定めた特定の条件に限り健康保険が適用されます。
保険適用の対象なのか気になる方はぜひ当院にご相談下さい。
二重歯列は予防矯正で改善できる
【予防矯正とは】
専用のマウスピース装置とトレーニングを行うことで、歯列不正の原因である口呼吸や低位舌の改善、飲み込み・姿勢等を改善し、正しい顎の発達による綺麗な歯列を獲得する治療のことです。
【予防矯正のメリット】
- 悪い癖を取り除くことで正しい成長を促せられる
- 健康に良い影響がある
- 抜歯せずに歯列を正すことができる
- 従来の矯正治療より早く終わる
- むし歯や歯周病になりにくくしてくれる
- 価格が安価
- 正しい舌の位置・正しい口腔周囲筋の使い方が身につけられる
- 痛みが少なく治療を進められる
- 後戻りが少ない
悪い歯並びの原因である悪習癖・生活習慣から改善する予防矯正はとても重要であるといえます。
エムアンドアソシエイツ矯正歯科では、予防矯正の相談にも対応しております。
特に、体が成長途中にあるお子様は予防矯正の効果が得られやすく、二重歯列の予防・改善だけではなく口呼吸や低位舌の改善、飲み込み・姿勢等を改善し、正しい顎の発達による綺麗な歯列口呼吸を改善することで正しい歯並びへ誘導することができます。
当院では随時、無料カウンセリング・ご相談を受け付けております。
お気軽に足を運んでいただき、まずはカウンセリングでご希望や心配点・疑問点などお聞かせ下さい。
それではあなたからのご相談をお待ちしております。