下の歯並びが悪くなるのは年齢のせい?その理由と改善策を分かりやすく解説します
「最近下の歯並びがガタガタしてきた」「歯に食べ物が詰まりやすくなった」と感じられる方の相談を受けることがあります。
元々歯並びは悪くなかった方でも同様の悩みをお持ちの方がいらっしゃいます。下の歯並びが悪くなる原因はなんでしょう。
ここでは加齢によって下の歯並びが悪くなる原因と改善方法を詳しくお話していきます。
【目次】
1、下の歯のガタガタは加齢のせい?
①歯並びの敵は癖や習慣
②親知らずが潜んでいる場合
③気付かず進行する歯周病
④弱くなった噛む力
⑤歯を抜いたまた放置
2、悪い歯並びを放置することは危険!
3、下のガタガタ歯並びの改善方法
①悪い癖や習慣を知る
②歯周病・虫歯治療は基本中の基本
③歯並びを整えるのは矯正治療
4、インビザラインなら下の歯のガタガタもおまかせ
下の歯のガタガタは加齢のせい?
年齢を重ねると歯並びは悪くなるもの、と諦めていませんか?
原因と正しい改善方法を知ると防ぐことができます。
まずは原因を紐解いていきます。
①歯並びの敵は癖や習慣
日ごろ何気なくしている癖や習慣が、実は下の歯並びが悪くなる大きな原因と言っても過言ではありません。
〇頬杖や横向きで寝る
頬杖は顎を手で支える形になります。頭の重さは5kg前後と言われていて、頭と手で顎を挟んでいる状態になることで顎が歪んだり、手が当たる歯は力がかかり続けて内側に押されて動いたりします。横向きに寝る形も同様に頭の重みと枕に挟まれて顎や歯列に押される力がかかります。
〇歯ぎしりが酷い
起きている間に噛む力は40g~60kgに対して寝ている間の無意識でする歯ぎしりの力は、100kg以上にもなると言われています。この力が歯にかかると歯がすり減ったり割れたりすることがあり歯並びにも大きな影響があります。
〇口周りの筋力の衰え
加齢によって体中の筋力は低下していく中で、口の周りの筋肉も衰えていきます。内側から舌で押す力に頬の筋力が負けてしまい、歯並びが外側に押されて歯並びが悪くなることがあります。
②親知らずが潜んでいる場合
10代後半から20代前半に生えてくる親知らずは、他の歯が生え揃った後に生えてきます。親知らずは真っ直ぐ生えてくるといいのですが、中には横に向いて生えてきたり、生えてくるスペースが足りないと前の歯を押しながら生えてくることもあります。後ろから歯を押されることで前歯はその影響を受けやすくなり歯はガタガタして歯並びが悪くなります。歯並びが綺麗だった方でも大人になって生えてきた親知らずが原因で歯並びが悪くなった方は多くいらっしゃいます。
③気付かず進行する歯周病
歯周病は歯の周りに汚れが溜まることで歯肉の炎症を引き起こし、歯と歯肉の間に細菌が侵入すると歯を支えている骨を溶かしていく病気です。骨が溶けていくと骨によって支えられていた歯がグラグラしたり傾いたります。歯周病は痛みが少ないので知らないうちに進行するので、骨が大きく溶けて歯がグラグラしてきて気付かれる方もいらっしゃいます。また、骨が溶けていくと歯肉も下がってくるので歯と歯の間の隙間ができます。歯周病はひどくなると歯が抜けてしまうこともあります。
④弱くなった噛む力
加齢によって筋力が衰えるのは噛む力も同様です。噛む力が弱まると柔らかい物ばかり食べるようになり更に噛む力が低下してくることがあります。
筋力が低下すると、頬の力と舌の力で保たれていた歯列はバランスが悪くなり、歯並びがガタガタしてくる原因の一つとなります。特に下の前歯は舌の力で前に押され、ガタガタになるだけではなく出っ歯になることもあります。歯並びが悪くなると噛み合わせも変わってくるので食べ物が噛みにくくなることにもつながります。
⑤歯を抜いたまた放置
歯並びは隣合う歯がバランスを取って並んでいます。歯をぶつけたり虫歯が酷くなったり歯周病の悪化など、何らかの原因で歯を抜いてそのまま放置しているとそのバランスが崩れ、空いている方向に向かって両隣の歯が倒れこんでくることがあります。歯が傾くと更にその隣の歯のバランスも悪くなり、歯が傾いたり移動してガタガタになり歯列全体の歯並びが悪くなります。その結果、噛み合わせも悪化するので顎に痛みが出ることもあります。
悪い歯並びを放置することは危険!
歯並びは放置していても元に戻ることはありません。それどころか更に悪化する恐れがあります。
悪い歯並びを放置するリスクを挙げます。
〇虫歯や歯周病になる・進行する
歯並びが悪いと、歯ブラシの毛先が歯1本1本に当たることが難しくなります。タフトブラシのような小さいブラシやフロスなどの補助器具を使って磨くことが大切になりますが、どうしても取り切れない汚れもあります。汚れが溜まると虫歯や歯周病にかかりやすくなり、時間が経つにつれ症状がどんどん進んでいきます。
〇噛む力が衰える
歯並びが悪くなるとそれまで噛み合っていた上下の歯は噛み合わせが悪くなってきます。
噛み合わせが悪くなるとしっかりと噛めなくなり、そのまま飲み込むことで消化不良や胃腸への負担をかけることに繋がります。
〇顎関節にも悪影響
噛み合わせが悪いまま食事を繰り返していると、顎関節に負担がかかり痛みや動きが悪くなることがあります。
〇見た目が悪くなる
出っ歯やガタガタの歯並びは、口を開けた時や笑ったときに見えるため、見た目のコンプレックスになることもあります。
歯や噛み合わせが身体のバランスを取っていると言っても過言ではありません。歯並びが悪くなるということは身体の様々なバランスを崩してしまいます。
下のガタガタ歯並びの改善方法
悪くなってしまった歯並びを改善するにはどんな方法があるのでしょう。
自分でできる改善方法や矯正治療についてご紹介します。
①悪い癖や習慣を知る
普段何気なくしている癖や習慣が実は歯並びを悪くしていることがあります。例えば、
- 頬杖をする
- 爪を噛む
- 口呼吸をしている
- うつぶせや横に向いて寝る
- スマホやPCを見るとき、猫背などの姿勢の悪さ
- 歯ぎしりや食いしばりをする
- 幼少期の指しゃぶりが長かった
- 舌で歯を押す癖がある
このような癖や習慣がないか一度チェックしてみてください。
上記の癖や習慣はいずれも歯並びを悪くしたり更に悪化させます。
まずは気付いたときに意識をしてやめることで、これ以上の悪化を防ぐことはできます。また、歯ぎしりや食いしばりについては歯を保護するマウスピースを装着して改善することができます。しかし、それまでに悪くなっている歯並びは治療によって改善することが必要です。
②歯周病・虫歯治療は基本中の基本
歯周病や虫歯は自分で治すことはできません。軽度の虫歯の治療は虫歯になっている箇所を削って詰め物や被せ物をして治療が完了します。虫歯が酷くなると歯の根っこの治療が必要になる場合があります。この治療は根っこの中の汚れを取り除き、綺麗になったら神経の代わりの詰め物をします。その後、歯に被せ物をして完了します。
歯周病は、歯と歯肉の中に入り込んだ汚れや歯石を取り除きます。重度だと歯肉の腫れが酷くなり膿が発生するためそれらを取り除き、歯肉が安定するところまで落ち着いてから定期検診に移行します。
虫歯治療や歯周治療は、それぞれの治療内容によって通院回数や治療期間は異なりますが自己判断で中断すると、それまでより悪化することもあります。
虫歯治療の完了、歯周病は定期検診に移行するまで治療をしましょう。
③歯並びを整えるのは矯正治療
悪くなった歯並びの治療はほとんどの場合、矯正治療になります。
矯正治療は大きく分けて3つあります。
- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
- セラミック矯正
これらの治療内容や治療期間、費用などは以下の通りです。
〇マウスピース矯正
透明なマウスピースを装着して10日~2週間で1枚のマウスピースを取り換えながら歯を動かす治療です。歯列の型を取ってマウスピースを作製するので、違和感が少なく歯が移動する時の痛みも少ない治療です。
〈治療期間と費用〉
全体矯正で2年~3年、70万円~130万円
部分矯正で3ケ月~1年半、20万円~50万円
〇ワイヤー矯正
歯の表面にブラケットという器具とワイヤーを装着して、歯を動かす治療です。大きく動かしたい時や細かく動かしたい場合など調整できるので、幅広い症例に対応できます。歯を効率よく動かせるメリットもあります。
〈治療期間と費用〉
全体矯正で1年半~3年、60万円~120万円
部分矯正で2ヶ月~1年半、30万円~70万円
下の歯並びだけが悪い場合はマウスピース矯正もワイヤー矯正も「部分矯正」ができることもあります。
〇セラミック矯正
歯を削って被せ物で歯並びを整える治療です。歯を動かすための装置は使わないので、治療期間は矯正治療に比べると格段に短く、費用も抑えることができます。ジルコニアやセラミックで被せ物を作るので好きな色や形にすることができます。
〈治療期間と費用〉
治療期間は1ヶ月~3ヶ月
1本15万円~30万円 (材料や治療内容によって異なります)
インビザラインなら下の歯のガタガタもおまかせ
下の歯がガタガタしてきた、噛み合わせが悪くなった場合でもインビザラインで治療ができます。インビザラインは先述の通り、透明なマウスピースを装着するので目立ちにくく違和感が少ないです。気になる治療中の痛みも少なく普段通りの生活をしながらできる治療です。
大人の矯正治療はストレスの少ないインビザラインがおすすめです。
当院では無料のカウンセリングを行っております。
お気軽にお問合せ頂き、分かりやすく丁寧にご説明をさせて頂きます。